フィジーで英語学校の校長を務める筆者は「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を実践する。第3回のテーマは「幸福先進国の共通点」です。幸福先進国といわれるフィジーとデンマークの共通点をお話しします。

 こんにちは。前回は「なぜフィジーとデンマークを海外拠点として選んだのか」について書きました。今回は、世界を代表する幸福先進国(フィジーとデンマーク)の共通点について書いていきたいと思います。地理的にも、気候的にも、経済的にも、正反対の国ではありますが、その両国に共通する要素とはいったい何なのでしょうか。

共通点1 共助感覚が強い

 デンマークは言わずと知れた「高負担高福祉国家」です。収入の半分近くが税金として吸い上げられ、困っている人たちに再分配されます。公の仕組みを通じて「共に助け合おう」というメッセージが強烈に発信されています。

 そのせいもあってか、「世界寄付指数」(過去1カ月において、「見知らぬ人を手助けしたか」や「チャリティー団体などに寄付したか」「ボランティア活動に参加したか」についての調査に基づく指数)というランキングでも、デンマークは126カ国中16位と上位にランクインしています。ちなみに日本は107位で、フィジーは調査対象国から外れています。

 フィジーはまだ経済的には豊かとはいえない国であり、お金や物の貸し借りをはじめとして、助け合わないとやっていけない社会です。子どもたちは「共助」する大人の背中をたくさん見て育っていきます

 その結果、「誰かを助けたり、誰かに助けられたり」という関係が自然なものとして子どもたちにインストールされます。感謝し、感謝される。どちらも幸福感を高めてくれるので、共助することにハマっていきます

 フィジーでいう「自立」とは「他人に支えてもらわず独り立ちすること」ではなく、「なるべく多くの依存先(つながり)を担保すること」です。「自己責任」の社会ではありません。