フィジーで英語学校の校長を務める筆者は「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を実践する。現在は新型コロナウイルスの影響により、フィジーにとどまっています。そこで、第6回目の今回は童話「アリとキリギリス」の話を元に、コロナ禍で今私たちが学ぶべきことをお伝えしたいと思います。

アリの価値観を刷り込むべきか

 誰もが知っている童話「アリとキリギリス」。「アリ」は夏の暑いとき、一生懸命に働いて食料をため、冬はゆったりと暮らします。一方、「キリギリス」は夏の暑いときは木陰の涼しいところで休み、歌ったり、踊ったりと遊んでいます。冬になると、食料が手に入らず、凍死しないようにアリに頼み込んで助けてもらいます。

 働き者で貯蓄にいそしむ「アリ」を称賛し、怠け者の「キリギリス」を自業自得と非難する物語です。もうすぐ2歳になる娘に読み聞かせしながら、この価値観を刷り込んでいいのかなと疑問が浮かびました。

 コロナ禍の今、貯金の大切さを身にしみて感じているキリギリス的な生き方をしてきた人たちも大勢いると思います。「やっぱりアリの生き方をしてくればよかった」と。