フィジーで英語学校の校長を務める筆者は「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を実践しています。現在は新型コロナウイルスの影響により、フィジーにとどまっています。今回お届けするのは「フィンランド」のお話です。日本とほぼ同じ面積であること、第2次世界大戦で敗戦国となった苦難の時代から国民が一丸となり復興してきた歴史などから「北欧の日本」と呼ばれることもあります。でもワークライフバランスは日本とは正反対で、世界一なんです。そこから私たちが学ぶべきことをお伝えします。

ワークライフバランスは天と地の差

 「フィンランド」という国名を聞いて、皆さんは何を連想しますか? サンタクロースやムーミンでしょうか。

ムーミンの生みの親のトーベヤンソンはフィンランドの作家。ムーミンシリーズは日本でも根強い人気がある
ムーミンの生みの親のトーベヤンソンはフィンランドの作家。ムーミンシリーズは日本でも根強い人気がある

 フィンランドは日本とほぼ同じ国土面積(日本の約9割)の中に約550万人しか住んでいない国です。最近は、国連の幸福度ランキングで3年連続1位を獲得したり(日本は62位[2020年版])、世界最年少の女性首相(34歳)が誕生したりするなどして注目されています。

 また、世界主要40都市の「ワークライフバランス調査」(2019年 米「Kisi社」調べ)において、1位に輝いたのがフィンランドの首都「ヘルシンキ」でした。ちなみに東京はワースト2位……。

1位 ヘルシンキ(フィンランド)
2位 ミュンヘン(ドイツ)
3位 オスロ(ノルウェー)

38位 ブエノスアイレス(アルゼンチン)
39位 東京(日本)
40位 クアラルンプール(マレーシア)

 ヘルシンキは「ヨーロッパのシリコンバレー」と呼ばれており、世界最大級のスタートアップイベント「Slush」の発祥地でもあります。

 日本人とフィンランド人は似ているところが多くあります。勤勉な国民であり、自立や自助が重んじられる社会です。にもかかわらず、「幸福度」や「ワークライフバランス」のランキングでは天と地の差があります。この違いはいったいどこにあるのでしょうか。