「武器」が1つだと不安

 「人事のスキルって、一定期間離れると、腐って使えなくなってしまうと感じていました。採用市場の傾向などをタイムリーに追えていないと、感覚が鈍る。前職で1年半ほど携わり、やりがいも感じていたので、『使えるスキル』として持ち続けていたいな、と。それで、副業でトライしてみたいと考えるようになりました」

 加えて、門野さんが現在の会社に転職した当時は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、初めての緊急事態宣言が発令されたころ。飲食や人材関係の企業は打撃を受け、そうした業界に多くの顧客を抱えていたペイミーの事業も影響を免れませんでした。

 「事業が立ち行かなくなるような状況ではなかったのですが、漠然とした不安には襲われました。この先の世の中がどうなっていくのか分からない中で、自分の武器になるスキルは、1つではなくて複数持っていたほうが安心だと感じました。それも、副業を始める後押しになりましたね」