「稼ぎ方」の軸を増やす発想

 20代後半までに海外へ拠点を移すことを目指して、Shopifyは約2年で退社。米国のヘッドハンターから情報収集したり、Shopify時代の人脈を生かしてアジアのテック企業やスタートアップ企業のハブとなるような都市を視察したりしていました。同時に、人づてで「新規事業立ち上げに参画してほしい」といったオファーが増えたことから、結果的に個人で仕事をする道へ進むことにしました。

 会社員時代から、専門人材が隙間時間で外部企業へコンサルティングを提供するサービス「ビザスク」に登録するなど、自らのスキルを生かして「稼ぎ方」の選択肢を増やす方法を模索してきた上野さん。当初は独立までは考えていませんでしたが、結果的に今の働き方は「理想に近い形」だといいます。

 「女性はどうしても、出産などのライフイベントで体調に影響があったり、仕事量を抑えたりせざるを得ない時期があります。そんなとき、『フルタイムの正社員』だけではない、いくつかの稼ぎ方の軸を確保できていれば、臨機応変に調整しやすいだろうなと考えていました。プロジェクトベースで仕事を受けるスタイルは、もちろん不安定な部分もありますが、きちんと声がかかる存在であり続けることが大事だと思います」

 (下)の記事では、そのノウハウを詳しく紹介します。

取材・文/川辺美希 編集/加藤藍子(日経xwoman doors)

下編「コンサル1時間で6万円 20代フリーランス成功の秘訣」では、次のストーリーを展開

■時間は「成長」のための投資
■声のかかる人材になるための工夫
■「1時間6万円」は高いのか?
■複数ワークのマネジメント法
■「時間を稼ぐ」感覚で働こう