自宅だけでなく、外出先やオフィスにいるときなど、災害はいつどこで起きるか分かりません。一人暮らしの場合でも用意しておきたい防災グッズや日ごろから備えるべきこと、地震発生時に命を守る正しい行動について、危機管理教育研究所・危機管理アドバイザーの国崎信江さんに話を伺いました。

1.地震発生! 命を守るための行動マニュアル
2.一人暮らしの防災 備えておきたいこと&防災グッズ
3.災害時にまずすべきことは? 一人暮らしなら災害疎開も ←今回はココ

家族との連絡は最優先ではない

 前回(一人暮らしの防災 備えておきたいこと&防災グッズ)は災害に備えて用意すべきことについてご紹介しました。今回は、災害時での連絡の取り方や情報の見極め方、不安の軽減法についてお伝えします。

 災害が起きたとき、まず家族の安否を確認したいという人は少なくないはず。しかし、非常時は通信環境が不安定になり、携帯電話などがつながらなくなる場合がほとんどです。国崎さんは「そもそも家族と連絡を取る必要があるのかをよく考えて」と警鐘を鳴らします。

 「家族は生きているという前提に立って、まずは自分の命を優先しましょう。生きていれば必ず会うことができるはずなので、連絡を取るのは最優先ではありません。東日本大震災のときには、家族に連絡をしたことで逃げ遅れてしまい、津波に襲われて亡くなったという方もいらっしゃいました。地震の揺れがおさまっても、危険性がなくなったわけではないので、火災、土砂災害の危険や液状化、余震などがないかを確認してください。連絡を取る時間があるなら、より安全なところに行くために使いましょう。ここまで来たら大丈夫というタイミングで連絡を取るべきです」