第三者からのツッコミは、「好き」を深掘りするヒント

 次に参加者が2人組になり、互いのことを細かく聞き合います。自分の「好きなこと」を掘り下げる機会はなかなかなく、第三者からの「ツッコミ」があって初めてしっかり考えることができるそう。

 使用するのは下のようなフォーマット。例えば「旅」の中で特に「人と出会うことが好き」だという参加者に対して、相手は「例えば、旅で出会った人と何をするのが好き?」と問いかけます。すると、聞かれたほうは「うーん、初対面でも相手とマシンガントークするのが好きなんだよね」と答え、「あと、国籍が違う相手と笑い合うことも好き」と、どんどん「自分がなぜそれが好きだと感じるのか」考えていくことができるのです。

 こうして書き出した自分の「好き」の要素の中から、さらに、自分にとって大事だと感じるポイントを6つ選び、下のようなフォーマットに記入します。「旅が好き」というだけでなく、もっと具体的に、その中のどんな要素に魅力を感じるのか、明確に認識することが大事なのです。

 相手に質問されることによって、ワクワクする感情に隠された自分の本音を正確に把握することができます。一人ではここまで、自分が好きなことを掘り下げるのは、なかなか難しいかもしれません。自分の知らなかった一面や感情に気付いた人もたくさんいるはず。好きなことについて真剣に話す皆さんの表情がとても豊かで輝いていたのが印象的でした。

 最終ステップでは、「好きなこと」についてさらにリサーチする手段や方法を学びました。SNSを活用したり、その分野に詳しい人にコンタクトを取ってみたり、その分野にまつわる会社で働いてみたり……。好きを可視化し、追求したところで、各自「はじめの一歩」を決め、全員の前で発表します。

 「はじめの一歩」の内容は十人十色ですが、共通しているキーワードは「情報収集と発信」。情報を手に入れる方法はいくらでもあるし、インスタグラムやツイッターをはじめ、発信ツールも山のようにあります。それらの手段を駆使する重要性を感じる結果となりました。

 ワークショップが始まる前は「何をしたらいいか分からない」という状態だった参加者も、全員を前にして「はじめの一歩」を宣言し合ったことで、行動する勇気が湧いたと思います。