「やりがい」「本当にやりたいこと」「自分らしさ」。そもそも、自分がやりたいこととは? と考えてしまうこともあるはず。今回は「やりたいこと」を考え抜いた末に、東京と大分で二拠点生活を始めた女性に話を聞きました。
「やりたいことが分からない」劣等感を抱いた日々
大分の温泉を再現した入浴剤を展開するライフスタイルブランド「HAA(ハー)」代表の池田佳乃子さん。会社員を辞め、東京と地元・大分で仕事をする二拠点生活を始めて4年目になります。そこまでにはどのような経緯や葛藤があったのでしょうか。
2016年~ 広告代理店に転職(約2年勤務)
2018年~ 30歳で、別府と東京の単身二拠点生活をスタート
2021年~ ライフスタイルブランド「HAA」を立ち上げる
映画会社、広告代理店という多忙を極める日々を送りながらも、30歳を目前に「自分のやりたいことが分からない状態になってしまった」という池田さん。池田さんの周りには建築家の夫、写真家や役者の友人など自分自身を表現することが仕事に結びついている人が多く、「会社員の自分は本当にやりたいことができているのか分からず、劣等感を持っていた」そう。
当時は、会社で大きなプロジェクトを担当し、チームで動くことにやりがいを感じている一方で、自分がやったと言える仕事なのだろうか? と思うこともあった池田さん。
「『自分がいなくても、代わりはいるのでは?』と自信が持てず、クリエーティブな仕事をしている夫や友人と比べてしまい、このまま今の仕事を続けていいのか悩む日々でした」
心の中では「自分らしく生きればいい」と思いながらも、その「自分らしく生きる」が分からず焦りがあったといいます。
「今振り返ると、人と比べてばかりで自分自身と向き合うことができていませんでした。当時はいっぱいいっぱいで周りを羨ましく思うばかりでしたね。
今の自分だったら、会社員として仕事をしていても自信を持って取り組めると思うのですが、当時は違いました。『自分らしく』が分かる状態とは、自分に自信が持てたときなのかもしれません」