コロナ禍をきっかけに、改めて自分の働き方を見直したビジネスパーソンも少なくないでしょう。そこで今回は、社会人の「学び直し」を紹介します。在宅時間が増えたことで、時間の使い方も変わったのではないでしょうか。もちろん、通勤している人にもおすすめの勉強法も!

 今日から4月ですね。新年度に入り、スキルアップ、キャリアアップを目指す人も多いと思います。近年話題になっているのが、年齢やニーズにあわせて改めて学習を行う「学び直し」。「リカレント教育」「生涯学習」とも言われます。

 今回は大人の「学び直し」に注目。時差出勤、テレワークなどで、自分の時間をつくりやすくなった今こそ、「学び直し」のチャンスです。専門家におすすめの「学び直し」方法についても聞きました。

なぜ「大人の学び直し」が必要なのか?

 まずは、「ニューノーマル時代のキャリア」「大人の学び直しにおすすめの方法」について、リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部コンサルティング部 シニアコンサルタントの松木知徳さんに話を聞きました。

リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部コンサルティング部 シニアコンサルタント 松木知徳さん
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部コンサルティング部 シニアコンサルタント 松木知徳さん

日経doors編集部(以下、――) なぜ、大人の学び直しが必要なのでしょうか。

松木知徳さん(以下、松木) 「学び直し」という言葉自体が、学生時代で学びが終わる前提にあることを示しています。その後の長いキャリアで、自身のパフォーマンスを高め、活躍のフィールドを広げるための手段として学び直しは重要です。

 多くの人が、現職または転職のために役立てることを目的に学び直しをしています(*1)。会社組織では情報が専門的になる半面、関心の範囲が狭まり考えも偏りやすいというデメリットも。

 学び直しによって、多様な情報や人脈に触れて関心の幅を広げることで自身の強みを磨き、キャリアの選択肢を増やすきっかけになります。社会人としての知識や経験をもって学ぶことは、学生時代よりも深い理解につながるはずです。

*1 文部科学省 大学等におけるリカレント講座の持続可能な運営モデル構築事業について「社会人の大学等における学び直しの実態把握に関する調査研究」報告書

―― 働きながら学び直すには、どのようなものが向いているのでしょうか。

松木 社会人は、仕事やプライベートなどさまざまなイベントの中で時間やお金を捻出しなければなりません。そのため、継続して学びを行うには、強い目的意識が必要です。

 比較的短期間に「投資対効果」を見込めるテーマが向いていて、日常の仕事に生かせる技能や資格であれば会社からの理解も得られやすいと思います。例えば、外国語を使用する仕事であれば語学などがおすすめです。

 また、ある程度の経験を積んだ後、その先のキャリアが見えないこともあるでしょう。ビジネススクールなど総合的な学びは自身の方向性を改めて考えるきっかけになります。私も37歳でビジネススクールに入学し、アカデミックでの活動や副業などキャリアを磨くきっかけになりました。

―― まず「学び直し」はどう始めればいいですか。

松木 キーワードレベルでもよいのでまず検索をしてみること。大学や民間スクールのほか、書籍や配信動画など、日常で関心を持つ多くのテーマは誰かが発信しています。まずは興味のあるテーマに近づいてみることで、付随していろいろな情報が入ってきます。

◆なぜ「大人の学び直し」が必要?
⇒年齢を経るにしたがってキャリアの選択肢を増やすため


◆何を学んだらいい?
自身の仕事に短期的に結びつくものほど継続しやすい


◆どこから始めたらいい?
学びたいものを検索するのがファーストステップ