何かと迷うオフィスメイク。普段のメイクに何を足し、何を引けば自然に仕上がるのでしょうか。今回は、エミレーツ航空が主催するメイクアップイベント「RED HAT」を訪問し、客室乗務員向けメイクトレーニングの講師にお仕事メイクの極意を聞いてきました。

美しさを引き出すエミレーツ流「目元メイク」

 乾燥した機内で立ち仕事をしながら、美しいメイクを保っている客室乗務員たち。一体どのようなテクニックを使っているのでしょうか。肌に負担をかけないためにも上手に潤いをキープしたいものです。

 エミレーツ航空の本部でメイクアップの講師を務めるソマリ・エラスマスさんによると、客室乗務員は自然体の美しさを生かしたメイクをしながら、肌の潤いを保っているそう。

 「女性からの人気が高く、世界的に就職が難しい航空会社の一つ」といわれる会社の客室乗務員が実践するメイクとは、一体どのようなものなのでしょうか。まずは瞳の美しさを引き出す目元メイクから紹介します。

◆アイシャドー

2本のブラシを組み合わせてアイシャドーの濃淡を表現
2本のブラシを組み合わせてアイシャドーの濃淡を表現

 ソマリさんが取り出したブラシは2本。大きいサイズのブラシで明るい色のシャドーをまぶた全体に付けた後、平らで細いアイブロー用のブラシで目のキワに濃い色を付けました。2本のコンビネーションによって陰影を付けるため、アイライナーは不要だそうです。

 「エミレーツ航空では、客室乗務員の自然な美しさを引き出すために、アイシャドーはナチュラルな色みの使用が推奨されています。つまり、スモーキーアイのようになる濃い色味やラメ感の強いものはNG。アイシャドーのベースとなる明るい色から順に付けましょう」(ソマリさん)

 きめ細かい肌質のアジア系は、色を多用するより、なじみやすい色を付けるほうが映えるのだそうです。

アイブローは、仕上げに眉マスカラを使用。美しい形をキープすることができます。眉毛は髪色に近い色で、暗ければよいというわけではありません。より自然な眉毛に仕上げることで、顔の印象を明るくします
アイブローは、仕上げに眉マスカラを使用。美しい形をキープすることができます。眉毛は髪色に近い色で、暗ければよいというわけではありません。より自然な眉毛に仕上げることで、顔の印象を明るくします

◆ハイライト

ハイライトは、指を使いながら薄く伸ばして肌になじませます
ハイライトは、指を使いながら薄く伸ばして肌になじませます

 ペンシル型のハイライトを使い、眉のすぐ下に軽く線を引いて親指でぼかします。目を開いたときにインパクトが出る上に、はっきりした印象の瞳になります。目元メイクの中でも、ソマリさんが特に重視するポイントだそうです。

チークはピンクやピーチ系がおすすめ。頬の真ん中からこめかみに向かって伸ばします
チークはピンクやピーチ系がおすすめ。頬の真ん中からこめかみに向かって伸ばします

◆マスカラ

まつげを1本1本しっかり伸ばすイメージで丁寧にマスカラを付けます
まつげを1本1本しっかり伸ばすイメージで丁寧にマスカラを付けます

 マスカラといえば黒をイメージしがちですが、明るい肌色や明るい髪色の女性はブラウンマスカラのほうがより適している場合があります。エミレーツ航空の客室乗務員はマスカラを使うルールになっており、黒または茶色から選んでいるそうです。また購入する商品についても、ソマリさんは次のように指導しているそうです。

 「目元は特に肌が敏感なので、ウオータープルーフはおすすめしません。強力なメイク落としが必要になり、肌に負担がかかってしまうからです。マスカラの使用期限は開封後6カ月。それ以上たつと成分が悪化してしまう恐れがあります」(ソマリさん)