目の前のことを真剣に取り組み、自分の道にたどり着く

「学生時代、いろいろなことに挑戦したけど、いつもモヤモヤしていました」 (村上)
「学生時代、いろいろなことに挑戦したけど、いつもモヤモヤしていました」 (村上)

 3人のキャリアの入り口についてのトークは、三者三様でした。村上さんは、やりたいことが分からない、決められないまま就職活動を開始した結果、ことごとく失敗してしまったそう。かろうじて内定を獲得した企業もありましたが、インターンを経て考えた末、12月にすべて辞退することに。

村上さん(以下、村上) 4月になって皆が社会人になっていくのに、私はニート状態で焦りました。ゴールを探している状態がすごくつらかったのですが、社会からお金をもらえることは何か、つまり自分の価値を提供するために何ができるかを考えました。とにかく、できることを増やそうと思って、1年半くらいは何でもやりましたね。もがきながら挑戦する中で、徐々に「できること」の中に「やりたいこと」が見えてきた気がします。

川島さん(以下、川島) 私は、ユニクロでのアルバイト経験から生活者市場に興味が湧き、企業理念に共感できたアイスタイルに新卒で入社しました。当時のアイスタイルは、今と比べると社員数は少なく、同期は7人。自分が取り組んだことの手応えを感じたくて、あえてベンチャースピリットを謳っていた会社を選びました。何事も経験してみないと分からないので、「今、自分が見ている景色の中で最善を尽くそう」とがむしゃらに頑張りました。一方で、漠然と「一度は転職してみたい」とも思っていました。

森本さん(以下、森本) 私の場合は、あえて「皆が選ばないこと」をやろうと就活時に決めていました。当時は、女性の営業も少なく、かつ転職市場も転職エージェントという職業もまだまだ社会的な認知が低かったんです。現在、転職エージェント企業は全国に2万社以上ありますが、その頃は100社もなくてマイナーな業界だったの(笑)。でも、マイナーな仕事を選んだおかげで、ブルーオーシャンの中で自分自身をブランドとして創り上げることができて、それが今の仕事につながっているんです。

自分の輝く姿を見せることが、家族や誰かのためになる

 ここで、参加者からの質問タイムがスタート。「仕事と家庭の両立」「迷った時に決断する方法」など、高校生から社会人までたくさんの手が挙がりました。

参加者からの質問 仕事と家庭の両立など、男女間の「見えない壁」を感じることは?

 バリバリ働きながら2人の子どもを育てている森本さん。しかし、出産後すぐ夫は出張族になり、両親も地方在住のため、完全なワンオペ育児をせざるを得なかったと話します。そのときに、「子どものそばにずっといてあげること」がすべてではないと感じたそう。

森本 夫は「私がいつもご機嫌でいること」を優先してくれます。だから、私が楽しく仕事をしているのを喜んでくれている。そういう夫の存在がありがたいですね。ワンオペ育児となりましたが、私は必要に応じて、他人を頼りました。仕事は「自分にしかできないこと」に絞り込み、いつもベストな成果を提供できるように全力を尽くしました。私が楽しく、ワクワクして働いている姿を子どもに見せることで、子ども自身もそれを感じ取ってくれていると思います。今年、高校生になった長男は、そんな私を見ていたから自発的に料理に興味を持つようになりました。誕生日プレゼントに「バーミキュラ」をお願いされたり(笑)。

「仕事をしながらいつも楽しく生きている姿を見せることも、家族のプラスになるのでは」(森本)
「仕事をしながらいつも楽しく生きている姿を見せることも、家族のプラスになるのでは」(森本)