何かを成し遂げるには「孤独」がもれなくついてくる。でも、人を信じることを忘れないで

 ここからは参加者からの質問タイム。多くの挙手がある中、涙ぐみながら心の内を打ち明ける人も。なかなか人には言えない悩みを参加者で共有する、温かい雰囲気に包まれました。

高校生から大学生まで若手女性の切実な悩みが明かされ、真剣に語り合う場面も。
高校生から大学生まで若手女性の切実な悩みが明かされ、真剣に語り合う場面も。

参加者からの質問 新しいことを始める際、共感してくれる人や応援してくれる人に出会えなかったら?

 村岡さんは、「そもそも、自分のやりたいことをやるのと『孤独』ってセットじゃね?」と、ズバリ言い切ります。「寂しさを感じたら、自分の目的、原点に立ち返ること」が大事だと語ります。

村岡 高校時代、クラスで「文化祭頑張ろう!」と盛り上がっている最中でも私は一人勉強を優先しました。今も内定者で一人「社長」の役割を頂いているので、同期から気を使われることもあります。でも、自分は勉強や仕事で成果を出したいのであって「皆と仲良くすること」が目的ではありません。人と違うこと、成し遂げたいことがあるなら、自分だけの道を進む勇気が必要だと思います。

 一方で、父親の病気をきっかけに、母親が就職で苦労する姿を見て、女性が働き方を選べる社会にしたいと考え、Women's Innovationを立ち上げた大山さん。「人ってもともと孤独」と感じていると言います。

大山 父の看病、家族のこと、自分のことで大変な時期は正直、孤独を感じることもあります。でも、Women'sの活動は孤独を味わった自分だからこそできるはず。Women'sを誰かの心のよりどころとなるようなサードプレイスとしても発展させていきたい。

 「孤独だからこそ、互いの生き方を応援できる世の中を創りたい」>とWomen'sの活動に意欲を燃やします。

「皆の心のよりどころとなる場づくりも目指しています」(大山)
「皆の心のよりどころとなる場づくりも目指しています」(大山)

参加者からの質問 人に頼るのが苦手。どうすれば人に頼れるようになりますか?

村岡 もともと私は、人を頼らないタイプで、怖く見られることが多いんです(笑)。だから自分から弱みをさらけ出すようにしています。例えば「恋愛でウツっぽくなったことがある」とか(笑)。私は社長になった時、会社の目的やビジョンを達成するには一人じゃ何もできないと気付いたんです。「自分でやりたい」という気持ちを整理して、できないことや苦手なことは、それが得意な人にお願いする。そうすることで、いい人間関係が築けているんじゃないかなと思います。

大山 私は、「人を信じる」ことを大切にしています。人を信じられない人はリーダーになれないと思いますから。あと、気を使い過ぎないこと、その人のいいところを探すように心掛けています。やっぱり、性善説で生きていくほうが、人間的にも大きくなれるのではないでしょうか。

 トークの合間には、登壇者と直接話をしたり、記念撮影したりできるネットワーキングタイムも。参加者同士の交流で盛り上がりました。大山さんは、「この日に集まった高校生、大学生、社会人約80名の女性たちに『生き方に正解なんてない』という私たちのメッセージを伝えることができたと思います」と語ります。自分の未来が楽しみになるような、そんな希望を見いだせるイベントでした。

準備、集客、当日の運営まで大活躍のWomen’s Innovationメンバー。全員が現役大学生
準備、集客、当日の運営まで大活躍のWomen’s Innovationメンバー。全員が現役大学生

取材・文/高橋奈巳(日経doors編集部) 写真/小野さやか