ゴールデンウイークが終わり、仕事を再開する人も多いと思います。でも、なんだかやる気が出ない、集中できない…。これってもしかして「五月病」? そんなときはどうすればいいのか、専門家に聞きました。

 コロナ禍でのゴールデンウイークも終わり。今年も旅行や遠出ができず、消化不良な気分を抱いている人もいるのではないでしょうか。それでなくてもこの時期は「五月病」になる人が多いもの。そこで、リモートワークならではの五月病対策を、専門家に取材しました。また、心が疲れたときにおすすめのアプリもご紹介します。

どうして五月病は起こる?

 そもそも「五月病」とは何なのでしょうか? 五月病になるのはなぜ? 臨床心理士・公認心理師で、オンラインカウンセリングサービス「うららか相談室」のたかだちかこさんに話を聞きました。

編集部(以下、――) そもそも、「五月病」はどんな状態なのでしょうか。

たかだちかこさん(以下、たかだ) 主に新入社員や新入学生が、5月の連休明け頃に、「朝起きられない」「やる気が出ない」「食欲不振」「頭痛や腹痛」「不安や焦燥感」などの心身症状を示すことを、一般的に「五月病」と呼んでいます。「五月病」は正式な診断名ではありませんが、仮病や気のせいでもありません。場合によっては、うつ病や適応障害につながる恐れもあるので注意が必要です。

―― なぜ五月病になってしまうのでしょうか。

たかだ 新入社員や新入学生にとって新しい生活は慣れないことも多く、強い不安や緊張を伴うものです。新生活から1カ月ほどは張り詰めた気持ちで乗り切ることができても、ゴールデンウイークに一息つくことをきっかけに、たまったストレスや疲れが一気に出ることがあります。これが五月病のメカニズムです。

 無理をしてでも頑張ってしまうタイプや、真面目できちょうめんな人、周囲に気を使いがちな人などは、五月病になりやすい傾向があります。誰しもずっと頑張り続けることはできませんから、五月病の症状は心身からの「少し休んで」というサインでもあります。

・五月病は新生活の緊張、ストレス、疲れが原因
・五月病は「少し休んで」のサイン。放置するとうつ病や適応障害につながる恐れも

 「連休明けで仕事をする気が起きない」……そんなときは、どうすればいいのでしょうか? 集中力が切れたり、休み癖がついてしまったりしたときに、ペースを元に戻す方法を、次のページから紹介します。