毎日忙しく働いていると、いろいろなことで頭がいっぱいになってしまいます。そんなとき、心を落ち着ける方法として注目されているのが「マインドフルネス瞑想(めいそう)」です。今回は、自宅や職場で実践するときのポイントを紹介します。

 最近注目の「マインドフルネス瞑想」。「マインドフルネス」も「瞑想」も、言葉としてはなんとなく分かるけれど、一体どんなもの? どうやって実践すればいいの? そこで、ライフコーチ/瞑想&ヨガ インストラクターの高山理瑛(たかやまりえ)さんに話を聞きました。

ライフコーチ/瞑想&ヨガ インストラクターの高山理瑛さん
ライフコーチ/瞑想&ヨガ インストラクターの高山理瑛さん

マインドフルネスとは?

 情報にあふれ、忙しい毎日。私たちは、「体で行っている動作から意識が離れ、頭では別のことを考えている」という時間を多く過ごしてします。

 「マインドフルネスは、そのようにバラバラになっていた意識や心の状態を目の前の体験に引き戻すこと。『意識を今ここに戻して、そのとき体験していることを、全身で味わい感じる』というあり方です。

 日常のさまざまな瞬間を、マインドフルに過ごす(日常のさまざまな瞬間を大切に過ごす)ことができるようになり、人生に対しても『今を生きる』という姿勢へとつながっていきます」と高山さん。

 「マインドフル(mindful)」には、英語で「気を配る」「意識する」などの意味がありますが、マインドフルネスの概念では、「この瞬間に起こっていることに意識を向け、今を大切にする」ことを意味します。

意識を今に戻す「マインドフルネス瞑想」

 「必ずしもマインドフルネス=瞑想ではありませんが、瞑想はマインドフルネスの最も実践しやすい最初のアプローチです」と高山さん。

 また、マインドフルネスは「頑張って集中している状態」とは違うのだそう。「マインドフルネスの本質的な意味は、単に『目の前のことに集中する』というよりは、『今この瞬間に起きていることからさまざまな気づきを深める』ことなのです」

 「マインドフルネス瞑想をするときに大切なのが、目の前で起きていることに対して判断を加えないこと。それには、不快なこと(体験)が含まれるかもしれません。しかし、たとえ不快であっても、その瞬間を生きるという意味ではとても貴重な気づきとなります。

 まずは意識を自分の内側に向けることで、次第に五感が高まり、観察力が増していきます。その中で、自分以外のあらゆることにも気づけるようになると思います」

 次のページから、「マインドフルネス瞑想」の方法と、おすすめのタイミングを紹介します。