2019年6月3~6日にカナダ・バンクーバーで開催された世界最大級のジェンダー平等や女性の健康と権利に関する国際会議、「Women Deliver(ウーマン・デリバー)2019」(主催:ウーマン・デリバー)。カナダのトルドー首相や国際機関代表を含め、150以上の国と地域から約8000人が参加した。日本からは女性を軽視した記事を掲載した週刊誌に抗議をしたことで注目を浴びたアクティビスト・山本和奈さんが出席。会場の様子や現地で感じたことについて、メッセージを寄せてくれました。

アクティビストとして国際会議に参加

 2019年6月にカナダ・バンクーバーで開催された、世界最大級の女性の権利、女性のエンパワーメントの国際会議、「Women Deliver(ウーマン・デリバー)2019」。1万人を超える参加申し込みがあり、私は世界の妊産婦と女性の命と健康を守るために活動している日本生まれの国際NGO、ジョイセフのI LADY.アクティビィストとして派遣された。私がこの会議で一番受けたかったカンファレンスは「Empowerment(エンパワーメント)」がテーマのものだ。

会場に設置してあった「あなたはいつパワフルに感じますか?」と書いてある黒板が印象的だった

 「エンパワーメント」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

会場に入ってすぐにあるPOWERの文字に圧倒される

 そもそもEmpower(エンパワー)というのは the process of becoming stronger and more confident, especially in controlling one's life and claiming one's rights.――強くなり、自信を持つプロセス。個人の人生や権利をコントロールできるようになることという意味を持つ。ちょうどよい日本語がないので、カタカナで「エンパワーメント」と表記されることが多い。

 日本ではフェミニズムや女性差別について話し出すと、なぜか「男対女」の対立構造や「女性の権利>男性の権利」のイメージを持つ人が多い気がする。 #MeToo運動も フェミニズムも、「批判」「対立構造」「訴え」というキーワードが並ぶ。経済発展を支え得る、女性の社会進出の必要性も活発に論じられるが、エンパワーメントといった側面で論じられることは海外に比べて少ない。

エチオピア初の女性大統領、サヘレウォルク・ゼウデ氏が参加していた開会式の様子

日本に残る女性の可能性を潰す風潮

 だから、日本の女の子と話すと「日本人女性の自己肯定感の低さ」に改めて気づかされる。性暴力や性的同意の議論の場では、性暴力を受けた被害者が自分を責めてしまったり、「私なんて」と自分自身を低く見てしまったりする状況を、何度も目にしてきた。一方、自分に自信を持っている人は低く見られると感じる傾向が多々ある。

 それに日本では歴史的・文化的に「女性は男性の3歩後ろを歩く」ものとされ、「出しゃばる女性はモテない」と言われたりと、女性自身の可能性や夢を潰す悪しき風潮が残っている。

 私自身も将来大学院に進むことを考えていて、勉強し続けたいということを近所に住む高齢の女性に伝えたところ、「あら、女の子なんてそんなに勉強しなくていいのよ!」と言われた。

 「女の子なんて」――この言葉は、自分だけではなく、他人の可能性をも潰すかもしれないと思った。「~なんて」という言葉に対して急に険悪感を覚えた。「女なんて」「女性なんて」。なぜ、自分の性だけが理由で、可能性や夢を潰されなければいけないのか。

 女性たちに機会や影響力が与えられることが少ない日本。そんな状況に問題意識を感じていたため、いくつもあるセッションの中から、エンパワーメントに関するセッションに出席した。そこで、とある子どもの発言が紹介され、とても印象に残った。

“I used to want to be a boy because boys make decisions. But now, I want to be a strong woman that can make decisions.”

“昔は男の子になりたかったわ、男の子には意思決定権があるから。でも私は今、強い女性になりたい。意思決定ができる強い女性にね”

 この言葉を聞いて、「女の子なんて」と言われたときのことを思い出した。

 もし強い女性がもっと報じられたり、かっこいい女性がロールモデルとして注目されるようになったりしたら、日本の風潮は変わるかもしれない。そして、後に続く、より多くの若い女性をエンパワーしていけるのではないか。

ウーマン・デリバーの代表カーチャ・アイバーセンさんが話す様子