生きていくうえで欠かせないコミュニケーション。特に大切なのが相手の話を聴くこと。簡単そうですが実は奥が深く、さらに話の聞き方ひとつで人間関係がスムーズになることも。じっくり話を聴く「傾聴」について、ビジネス・コーチの伊藤麻依子さんにオンラインで聴きました。

 職場やプライベートの場で、あなたは人の話を聴いていますか? 「もちろん聴いているよ!」という方がほとんどだと思いますが、「聞く」と「聴く(傾聴)」には違いがあります。今日からすぐに使えて、つい相手の話を聴きたくなる「傾聴」のコツをビジネス・コーチの伊藤麻依子さんに教えてもらいました。

「聞く」と「聴く」(傾聴)の違い

 日常では「聞く」の漢字をよく使います。傾聴の「聴く」は、音楽を聴くときなどに使います。このふたつは意識の違いによって以下のように使い分けられます。

聞く
 意識を集中しなくても自然に耳に入ってくる状態で、受け身のイメージです。

聴く
 自分から積極的に耳を傾けて聴くことです。何もしなくても相手の「声」は聞こえてきますが、「心の声」は相手の立場で「聴こう」としないと聴こえてきません。

 本音を言いたくなるのは仲のいい友人や気心の知れた人のはず。つまり自分の心を理解してくれる人は常に「心の声を聴いてくれている」と伊藤さんは言います。心の声を聴いているのです。

 次のページからは、傾聴で得られるメリットやコツを紹介。普段、自分が相手に対してどんな聴き方をしているか振り返りながらコツをつかんでいってください。