「マルチタスクができない」「仕事の内容が覚えられない」と悩んでいた、「僕と私と」の広報・いしかわゆきさんは、社会人3年目のときにADHDと診断されました。その後、試行錯誤を繰り返して自分なりの解決方法を見つけたいしかわさんのタイムマネジメント術は、「凡ミスが多い」「忘れっぽい」と悩む人も参考になるはずです。

「できないのは努力が足りないから」と思っていた

 現在は、Z世代向けマーケティング会社「僕と私と」で広報業務を担当しているいしかわゆきさん(20代後半)。

 新卒で入社した会社では、先輩から「メモを取るように」と言われたものの、メモ自体を忘れたり、業務に必要な持ち物を忘れたり……。

 社会人3年目にフリーランスライターとして独立した頃には、業務がうまく遂行できずに悩んでいたといいます。集中して作業をしているときにメールチェックや他の行動をしてしまうと気を取られてしまい、それまで何をしていたのかが分からなくなってしまうこともしばしば。

 しかし「できないのは努力が足りないからだ」と考え努力してみても、無理がたたって円形脱毛症になるなど、苦しい日々を過ごしました。苦手を克服できず、やりたいことも思うようにできない……。だんだんと大きなストレスになっていったといいます。

ADHDと診断され心のモヤが晴れた

 そんな姿を見た友人から「ADHD(注意欠陥多動性障害)なんじゃない? 一度診察を受けてみたら?」と言われ、初めてメンタルクリニックを受診。そこでADHDと診断されたときは、長年のモヤが晴れたような心地だったそう。

 自分の状況が分かってからは、タイムマネジメントを工夫。その結果、余裕が生まれ、広報としても働いてみたいと考えるようになったといいます。

 「『やりたいこと』は余裕がないと生まれないのだと実感しました」と話すいしかわさん。自己管理が苦手だった彼女が編み出したタイムマネジメント術とは、どのようなものなのでしょうか。