日本でもすっかり定着したヨガ。日本のヨガ人口は770万人ともいわれています。さまざまなヨガがありますが、今回紹介するのは「誰も取り残さない」がコンセプトの「ユニバーサルデザインヨガ(ユニヨガ)」。取材し、実際にポーズも体験してみました。
※雑誌「ヨガジャーナル日本版」が行った「日本のヨガマーケット調査2017」による

ユニヨガ(ユニバーサルデザインヨガ)とは?

 個性の違う人たちとのコミュニケーションギャップを埋めるのはなかなか難しいことですよね。それをヨガでかなえるのが、「ユニバーサルデザインヨガ(ユニヨガ)」です。 ユニヨガとは、年齢、身体的特徴、国籍などにかかわらず、すべての人がつながりを感じながら心身の健康を目指すもの。

 身体的、精神的、空間的にこれまでヨガに挑戦しづらかった方も参加しやすい「誰も取り残さない」ヨガです。多様な個性を認め合い、それぞれを生かしながら包摂(ほうせつ)していく「ダイバーシティ&インクルージョン社会」実現のために生まれました。

ユニヨガロゴ。体を使った表現は一部の人を取り残してしまうため、顔だけのマーク。そばかす、すきっ歯などコンプレックスと捉えがちな特徴も個性として捉えることを表現している
ユニヨガロゴ。体を使った表現は一部の人を取り残してしまうため、顔だけのマーク。そばかす、すきっ歯などコンプレックスと捉えがちな特徴も個性として捉えることを表現している

 ユニヨガには独自の決まったポーズはなく、また同じポーズをする必要もありません。それぞれができる範囲で楽しく行えればいいのだそう。それぞれの個性に合わせたヨガを行うことで、参加者全員が心身の健康を獲得しながら優しくつながっていくことを目指します。外国人や障害者、お年寄り、子どもなど、多様な参加者がいることで自分と違う個性に触れ、一緒にヨガを行うことで、相互理解を深める場になることが大切なのです。

ユニヨガティーチャーとは

 ユニヨガを行う講師(ユニヨガティーチャー)は基本二人体制でサポート。椅子、立った状態などポーズごとにデモンストレーションをするだけでなく、参加者のけがなどがないように様子を見守る役割も果たします。

今後、安心・信用できるユニヨガを継続的に提供するに当たり、一定の基準を設けて質の高いレッスンを行うためユニヨガティーチャーの資格化(障害者や高齢者も使いやすい「ユニバーサルデザイン」関連の企画を手掛けるミライロが提供するユニバーサルマナー検定3級受講)も予定しています。ヨガインストラクターの資格取得を検討している人は、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか。

 レッスン前には参加者全員の「ヨガの経験の有無」「体の特徴(障害)」「その日の体調や心の状態」などをプロフィルシートに記入するそう。運営者・ヨガティーチャーに事前に伝えたいことや心配点も記入することで、誰でも安心して参加できる仕組みになっています。