会議やプレゼン、セミナーなどでよくある質疑応答の場面。聞きたいことはあるのに「何か質問ありませんか?」と聞かれると、どんなことを言えばいいか困ることがありますよね。今回はそんなときに使える「質問力」について、日本語教師の戸田真由美さんに話を聞きました。

コンプレックスが「質問力」を究める原動力

 ビジネス、対人関係において「質問をする」ことは重要な要素のひとつ。一方で「しっかり話は聞いているのに、質疑応答で指名されても質問が思い浮かばない」「コメントを求められても、何を言えばいいのか困る」という悩みも聞きます。そんなときに使えるのが「質問力」です。

 日本語教師歴13年、キャリアコンサルタント資格も持つ戸田真由美さんは、学びのプラットフォーム「ストアカ」で「質問力」について講義を行っています。

日本語教師 戸田真由美さん
日本語教師 戸田真由美さん

 多くの人のコミュニケーションの悩みを解決に導いている戸田さんですが、「もともとは、人と話すことが大の苦手でした。話すことに対するコンプレックスが原動力なのかもしれません」と言います。呉服店の営業職、大学職員、日本語教師……と何度か転職する中で、「質問力」やコミュニケーションのスキルを磨いてきたそう。

 どんなスキルを身に付けると「質問力」が得られるのかと尋ねると、「大きく分けて、3つあります」と戸田さん。

ビジネスシーンでも欠かせない「質問力」。身に付けておくと、さまざまな場面で役立つ
ビジネスシーンでも欠かせない「質問力」。身に付けておくと、さまざまな場面で役立つ

 「1つ目は自分にとって必要な知識や情報を得ること。その過程では『目的を明確にする』『課題を発見する』『知識や情報を実践に結び付ける』などの力が必要です。

 2つ目は、相手と自分の理解・認識のギャップを埋めること。分からない点を質問して理解を補い、その理解が正しいか質問して確かめることで認識のずれを解消します。自分と異なる意見を否定しない態度、自分の意見を過信しない姿勢も必要となります。

 3つ目のスキルは、相手の思考や理解を深める手助けをすること。質問を投げかけ、相手の自問自答や内省を促せます。自分の考えを押しつけず、辛抱強く相手の答えを待つのも大切です」

 質問するために必要なのは「準備」。会議やプレゼンの場で、どのような準備が必要かを紹介します。