新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅で時間を過ごすことが多くなり、オンラインでのフィットネスや講座も人気を集めている。以前からマインドフルネスに興味があったというライターのあかしゆかさんがオンラインでのマインドフルネスに挑戦してみました。
一つのことに集中できなくなってきた
小学生の頃、私は自分で言うのもなんだけれど、割と集中力がある子どもだったように思う。中学受験のため、幼いながらに毎日勉強する日々だった。勉強することはあまり嫌いではなかった。自分の努力と結果が比例するのは楽しかったし、逆に言えば、その頃の私は「勉強する」以外の選択肢が世界にどのように広がっているのか、全くといっていいほど知らなかった。
だから、集中することは難しくなかったのだ。それしかすることがなかったから。
けれど、(個人差はあれど)世の中の多くの人がきっとそうであるように、年を重ねていくうちに、部活動やクラス内での人間関係、恋愛、そして進学やキャリアのことなど、人生における「悩み」のようなものが少しずつ増えていった。
私の場合は、それに拍車をかけるように、本を読み、文章を書き、考えることが好きになっていったこともある。
大人になるにつれて、頭の中が、少しずつ分割されていく感覚があった。脳内にいろんな引き出しがポコポコと生まれ、何かきっかけがあると、不意にその引き出しは開かれ、思考が止まらなくなってしまう。
IT企業に就職し、インターネットで膨大な量の情報を浴びるようになったこと。会社を辞めてフリーランスになり、マルチタスクが常習化したこと。そんな環境の変化も相まって、その感覚はより強固なものになっていった。私は、「何かひとつに集中すること」が、なかなかできなくなってしまったのである。
頭の中が煩雑なことは、悪くはないけれど……
前提として、私は頭の中が煩雑であることは、悪いことではないと思っている。ひとつのことだけを考えるのではなく、いろんなことを考えているからこそ生み出されるものは確かにあって、思考と思考がリンクしていく瞬間は気持ちがいい。
例えば何かの企画を考えているとき、ふと思い出した全く関係ない過去の出来事が、その企画のインスピレーションになったりする。文章を書いている時も同様で、煩雑な思考が、いいフレーズを思い浮かべるきっかけになることもある。
何かひとつのことだけをずっと論理的に考え続けるだなんて、それはなんだかコンピューターみたいだ、と思う。
いろいろなことを考えてしまう、複雑な脳を持っているめんどくさい生き物。そんな人間だからこそ、面白くていとしいと思うのだ。
「考え過ぎ」は、時に精神を壊してしまう
けれど、たまに脳内がパンクしてしまいそうになる瞬間がある。特にここ2年ほどは、そういった瞬間が多くあった。20代後半。刺激的な仕事や魅力的な友達はどんどん増えていったけれど、その分、考えることも増えていった。