「子連れワーケーション」をしたかったワケ

 幾度となく「ワーケーション」をしてきた私にとっても、海外への「子連れワーケーション」はかなりチャレンジング。誰が考えても大変だと想像がつくことに、どうしてチャレンジしようと思ったのか、理由は2つあります。

 1.子どもがいても、自分の夢はかなえられると証明したい

 2.我慢ばかりさせてきた長女にアメリカを、そしてママの働く姿を見せたい

 仕事もプライベートも「子供がいるから」と諦めてしまうシーンが増えていた私に舞い込んだ、エミー賞授賞式への取材の話。これに「ノー」という選択肢はありませんでした。どれだけ大変でも、どれだけ家族に迷惑をかけても、絶対に行きたい。むしろ子供がいても自由に働けるんだと自分自身に証明するいいチャンスだと強く思ったのです。

 私がロサンゼルスに行くと決めた時点で保育園にまだいっていない1歳0カ月の次女は同行決定でしたが、私は何より4歳の長女に見せたかったのです。私が愛してやまないアメリカと、私が働いている姿を。

 こうして半ば強引ではありますが、私はロサンゼルスでのエミー賞授賞式への取材に出発したのでした。

アメリカの「子連れフレンドリー神話」は崩壊?

 「アメリカのほうが子連れに優しい人が多い」

 なんとなくこの神話を信じて渡米したわけですが、これに関しては期待しないほうがよいという印象。日本だと「子ども2人抱えて、ママが一人で海外出張」なんて、とても大胆で特別なことのように感じますが、アメリカではいたって普通。「特別」ではないのです。

 ゆえに子連れだからと優遇してくれることはありません。ただ、そこに対して不満はなく、かえって特別に映らないことが少しうれしいくらいでした。

ママは「無理をする」のではなく、「工夫をする」

 アメリカでも日本でも、共通して言えることは「ママにだって働く権利がある」ということ。子どもがいるからって働く範囲をセーブする必要もないし、できないことなんて何もない。我慢しなければならないことなんて一つもないはずです。

 これは万国共通なことだけれど、アメリカは家事代行サービスも日本よりはるかに安く利用でき、シッターサービスは豊富。日本との大きな違いは「ママが無理さえすればかなう」のか、「ママが工夫すればかなう」のか、だったのです。何もかも自分でやらなければと気負うのではなく、工夫をすれば良い。それは、つい自分ひとりで抱え込んでしまいがちな私にとって大きな大きな気づきでした。

8時間のフライトは2人仲良く動画を見てリラックス(写真左)。郷に入れば郷に従え、少しピリ辛なメキシカン料理に苦戦しながらも、ぺろり(写真右)
8時間のフライトは2人仲良く動画を見てリラックス(写真左)。郷に入れば郷に従え、少しピリ辛なメキシカン料理に苦戦しながらも、ぺろり(写真右)
8時間のフライトは2人仲良く動画を見てリラックス(写真左)。郷に入れば郷に従え、少しピリ辛なメキシカン料理に苦戦しながらも、ぺろり(写真右)