「自分と違う」を受け入れる社会へ

 今年のエミー賞のテーマは、なんといっても「ダイバーシティ」。

 史上最年少でアフリカ系の男優がヒュー・グラントなどの大物をおさえて主演男優賞を受賞したり、トランスジェンダーの俳優がトランスアクターとして初めて受賞を果たしたり……。

 女優のミシェル・ウィリアムズが男女の雇用格差問題に迫り、大手クライアントは正当に女性たちに報酬を支払うべきだと訴えるなど、先進的だと思われるハリウッドでさえ、蓋を開けてみると自分とは違うものに対して差別する習慣が今でもなお根強く残っています。

 私たちの子どもの世代が大人になるころには「ダイバーシティ」なんて言葉さえなくなり、スピーチで不平等を訴えたりすることなく、話題にさえあがらないほど、自分と違うことが普通と思える社会になっていてほしい――。アメリカに行き、初めての文化に触れ、日本から一歩出ると自分とは異なるさまざまな人がいることを、いたってナチュラルに受け入れている様子の4歳の娘を見て心からそう思いました。


 単身出張だと決して起きない、子連れゆえのハプニングもたくさんありましたが、結果として子連れワーケーションinLAには大満足。私は日中に思いっきり子どもと遊び、子どもが寝静まった夜仕事にいそしむスタイルをとりました。与えられた時間で何としても仕事を終わらせねばならないので、自分でも驚くほどの集中力を発揮。同時に日本でどれだけ無駄な時間を過ごしていたのか思い知らされました。

 帰国後の働き方にも大きな影響を及ぼした今回の子連れワーケーション。取り組み方次第で従来の仕事の進め方を見直すこともできる、生産性の高い働き方だと実感しています。

 この旅を通じて学んだこと。それは「頑張る」のではなく「工夫する」こと。そうすれば、どんな状況でも必ず夢はかなえられると信じて疑わない旅になりました。

 ママだって、自分の夢はかなえられる。私の夢に付き合ってくれた家族に心から感謝を伝えるとともに、私はこれからも、「夢を叶えたい」と必死な女性たちと、「you can!」と背中を押し合っていきたい。

取材・文・写真/伊藤ハルカ