前回に続き、女子柔道金メダリスト・阿部詩(うた)さんに、女性の心と体についてインタビュー。今回は阿部さんのライフプラン、プレッシャーへの向き合い方、女性の体のこと、家族についても聞きました。

前編 柔道金・阿部詩 AMH検査で考える将来のライフプラン
後編 柔道金メダリスト阿部詩 プレッシャー「ただ受け止める」 ←今回はここ

阿部詩さん
阿部詩さん
神戸市出身。柔道家。2021年の東京オリンピックでは、柔道女子52kg級で金メダルを獲得した。兄は柔道66kg級で活躍している阿部一二三選手。2018年の世界選手権では兄妹同時に世界チャンピオン、東京オリンピックでは同日に兄妹で金メダル獲得の快挙を成した。W societyではアンバサダーを務める。

阿部詩さんの、プレッシャーへの対処法

 試合などでは大きなプレッシャーと闘うアスリート。阿部さんはそんなとき、どうプレッシャーと向き合っているのでしょうか。

編集部(以下、――) 試合前にプレッシャーを感じたときは、どう対応していますか?

「プレッシャーを力に変えられるように、日々のしっかりとした練習が大切だと思っています」
「プレッシャーを力に変えられるように、日々のしっかりとした練習が大切だと思っています」

阿部詩さん(以下、阿部) 試合の1、2カ月前は、常にプレッシャーを感じている生活です。「プレッシャーをどうにかしよう」としてもできないので、自分自身で受け止めるようにしていますね。

 プレッシャーがあるのは当たり前。あまり考えないようにしています。逆に、プレッシャーを力に変えられるように、しっかり準備していくことを意識しています。それには、日々の練習が重要だと考えているので、心構えをしっかりして、一種の覚悟をもって臨んでいます。

―― 験担ぎでしていることはありますか? なんでも「試合のときにはバナナ模様の靴下を履く」とか。今でも履いていますか?

阿部 バナナ柄の靴下は、今も試合のときに履くようにしています。それで緊張がやわらぐということはないのですが、(以前、バナナ柄の靴下を履いたときに優勝した経験から)験担ぎ的な感じですね。緊張する場面では、そうした「自分を取り戻せるアイテム」を取り入れるとリラックス効果があるのかもしれません。

阿部詩さん流・プレッシャーとの向き合い方
・プレッシャーがあるのは当たり前、と考える
・プレッシャーを力に変えるために日々できることをやる
・験担ぎ、自分が落ち着けるアイテムを持つ