「私はこうして成功した」「人生が変わる○○」――。ビジネス書の表紙には、すぐにでも自分を変えてくれそうな言葉たちが並んでいます。でも、読んだ結果「変われた?」と問われると自信がない。キラキラした言葉に振り回されるだけで終わらない、意味のある「読書」をするにはどうしたらいいのでしょうか。この連載では、起業家やインフルエンサーの皆さんに、「とっておきの読み方」を伝授してもらいます。第1回は、ブロガー・作家のはあちゅうさんに聞きました。

空っぽの自分と闘うために

 ツイッターにインスタグラム、ノート(note)にフェイスブック……とさまざまなSNSを使いこなしながら、作家としてビジネス書や小説の執筆も手掛けるはあちゅうさん。14年前、大学在学中に書いたブログがきっかけで世間の注目を浴びるようになって以来、インフルエンサーの代表格として活躍し続けています。でも、その毎日は意外にも「空っぽな自分との闘い」なのだそう。

 「ずっと、自分自身を『コンテンツ』にしながら生きてきました。でも、自分だけのオリジナルな部分って実は少ないと思います。世の中の変化や、新しい人との出会いがあって初めて、アイデアを生み出せる。アウトプットする量の何倍もインプットしていないと、アウトプットし続けることはできない。常に渇望感がありますね」

 その感覚は、新卒で電通に入社し、会社員として働いていた頃から変わらないといいます。

 「広告のコピーライティングをするに当たり、先輩から過去の有名なコピーを片っ端から『写経』して、言葉やそのリズム感を自分に刻み付けるよう言い渡されました。基礎を取り込んで初めて、アウトプットできるんだということを痛感しましたね。新しい挑戦をしようと思うほど、自分の『基礎』がアップデートできているのかという不安は付きまとうものではないでしょうか」

「インプットに対する渇望感は常にあります」(はあちゅうさん)

ビジネス書でモチベ注入

 ビジネス書を読みたくなるのは、「前向きになりたいとき」だと語ります。

 「全く新しいことに取り組もうというときもあれば、目の前のちょっとした作業に取り掛かる上でのやる気を注入したいときもあります」

 SNSを使いこなしているはあちゅうさんは、いろいろな人の投稿内容に刺激されることも多いそうです。でも、読書を通じて得た情報のほうが、より「心に深く入ってくる感覚がある」といいます。その読み方のポイントは、著者との間で「ゆっくり対話をするイメージ」を持つこと。だから、忙しい毎日でも「速読術」には手を出さないのだそう。

 「例えばツイッターで『やる気の出る言葉』を探しているときは、うっかり別の芸能ニュースに目が留まってしまったり、友達からラインの着信があったりと、気持ちが浮ついてしまいがち。1冊の本とじっくり向き合うことで、そのメッセージが自分の奥深くまで染み込んでくるように感じます