新型コロナウイルス感染防止でテレワークが緊急導入されている今だからこそ、本気の働き方改革として、リモートワークや在宅勤務がうまくいくコツをみんなで共有し、一つひとつ実践してみてはどうだろう。そこでテレワークの達人たちに、仕事の生産性を上げるコツを聞いた。上下2本でお届けする。

テレワーク達人の技(上)仕事の生産性を上げる環境作り ←今回はココ
テレワーク達人の技(下)チャットや時間管理のコツは?

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、全国的にテレワークが推奨される中、「うちの会社では突貫工事のように導入して、現場は混乱」(保険業、30代)「数年前から制度としてあったが、私のいる部署では上手に運用された前例がなく、みんな慌てている」(サービス業、30代)といった困惑の声も聞こえる。一方で、「日常的にテレワークを実践していたので、こんな非常時でも仕事は平常通り」と全く影響がないという人も。今、企業間で、個人間で、テレワークによる働き方や生産性に大きな差が出始めている。

 「顔を合わせずに上手にコミュニケーションを取る方法は?」「他者の視線を感じない中で、どうやって自分のタスクや働き方をマネジメントしているの?」――編集部は、テレワークを1年以上続けている達人たちに、テレワークで仕事の生産性を上げるコツを聞いた。達人の仕事術には、報告・連絡・相談の方法、時間マネジメントの工夫、コミュニケーションツールの使い方まで、今すぐ使えるTIPSが満載だ。ぜひ、参考にしてほしい。

報告・連絡・相談の方法、大小のタスク管理の小技、「仕事をやり過ぎない」ための時間マネジメント、海外とのやり取りで実践しているメールの工夫まで具体的に聞いた
報告・連絡・相談の方法、大小のタスク管理の小技、「仕事をやり過ぎない」ための時間マネジメント、海外とのやり取りで実践しているメールの工夫まで具体的に聞いた

 Nさん(30代)が勤めるIT企業では、4年前に全社的に在宅勤務を含むテレワークが導入された。Nさん自身は、在宅勤務歴2年。「今回の新型コロナウイルス感染防止で、会社からテレワーク推奨のアナウンスは特にありませんね。恐らく、導入して数年もたつのであえて伝えるほどのことではないという判断なのだと思います。私自身は、通常通り在宅勤務をしながら仕事をしています」

 Nさんの仕事は、プロダクトやサービスをデザインしたり、プロジェクトを管理したりする仕事だ。週3~4回は在宅勤務で働く。これまで試行錯誤しながら、自分が仕事を進めやすい環境を整備し、効率よく仕事を回す方法を身に付けてきた。特に心掛けているのは、自分がどういう状態かこまめに職場の人にシェアをすることだ。