新型コロナウイルス感染防止でテレワークが緊急導入されている今だからこそ、本気の働き方改革として、リモートワークや在宅勤務がうまくいくコツをみんなで共有し、一つひとつ実践してみてはどうだろう。そこでテレワークの達人たちに、仕事の生産性を上げるコツを聞いた。上下2本でお届けする。

テレワーク達人の技(上)仕事の生産性を上げる環境作り
テレワーク達人の技(下)チャットや時間管理のコツは? ←今回はココ

編集部では、テレワークの達人に、リモートワークをする環境をどうやって作っているのかを聞いた。コミュニケーションツールでのスタンプや言葉の使い方、いつもご機嫌でいるための工夫、「座りっぱなし」解消ワザまで、実践的なノウハウが詰まっている
編集部では、テレワークの達人に、リモートワークをする環境をどうやって作っているのかを聞いた。コミュニケーションツールでのスタンプや言葉の使い方、いつもご機嫌でいるための工夫、「座りっぱなし」解消ワザまで、実践的なノウハウが詰まっている

 在宅勤務、リモートワーク……というと、これまではワーキングマザーや共働き家庭の仕事と家事の両立を支援するための施策のイメージが強いかもしれない。だが、先進的な組織では、立場や年齢にかかわらず、誰もが時間と場所を選ばず、自由に働き方を選択できる環境や風土が整っている。

 「うちの会社では、普段から、独身、既婚、子持ち関係なく、誰でもテレワークができています。独身である私も、定期的にテレワークをしています」というのは、大手IT企業で新規事業を担当している32歳のAさん。

 「私はこれまで、好きな時に好きなように活用していましたが、新型コロナウイルスの影響で3月いっぱい全社員がテレワークに。それでも普段と変わらず仕事ができています」

ワザ1.気持ちを伝えるメッセージは意識して使う

 Aさんは、リモートで仕事をするとき、チームメンバーとのコミュニケーションで「気持ち」を伝えることを大事にしている。「コミュニケーションは、『Slack』というツールを使っています。始業や退勤時の単なる報告でも、絵文字スタンプをうまく使ったり、+αの言葉を加えたりして意思表示しています。時には、『感動して泣きそうになった』『今のは、ショックだよねぇ』と、対面で話すとき以上に相手に気持ちを伝えられるように工夫しています」

(Aさんの職場で実践されている、報告+αで気持ちを伝える例)
◆「業務を開始します~。在宅は仕事が捗りますが、腰が痛くなりますね 笑」
◆「おはようございます。業務開始します!在宅、すごくいいなと感じています!」
◆「今週もお疲れ様でした。良い週末を!」
◆「退勤します、おつかれさまでした」

ワザ2.自分の担当分野以外にも目を配って応援

 新規事業の企画という仕事柄、取引先との打ち合わせやリサーチなどで外出することが多く、他部署に比べてメンバーがどこで何をしているのか、チームが把握することが難しい部分もある、とAさん。

 「だからこそ、あえて自分が担当ではないチャンネルのタイムラインを見に行って、商談が進みそうな案件の報告に積極的に絵文字スタンプを使って盛り上げたり、雑談を持ちかけたり。なるべく、職場全体で応援し合う雰囲気を作れるように心掛けています」