ワザ6.とにかくクイックレスポンス

 「とにかく、クイックレスポンス!」を心掛けているYさん。「Slackで自分宛のメッセージが届いたときは、取り急ぎ『確認します』のスタンプを押すか、『○時ごろお返事します』と返事をしておき、メモのタスクリストに追加します。そして、取り掛かっている業務が終わり次第、すぐ対応しています」

 また、「誰かが質問を投げかけているとき、自分で答えられる範囲のことはすぐ返します。これは、自分自身が困って質問した時に、瞬時に答えてもらってうれしかったからです。顔を見ずに文面だけでコミュニケーションをとっていると何かとモヤモヤすることもあるのですが、なるべく早くクリアにして共有すると、お互いにスッキリして仕事に集中できます」

ワザ7.翌日のタスクを可視化、30分刻みで予定表を作成

 業務量がとにかく多いため、退勤時には、翌日のタスクを可視化するようにしているというYさん。「毎朝、その日の予定を10~30分刻みで組みます。突発的な作業依頼が発生して思い通りにいかないこともあるので、余白として1時間とっておき、1日8時間勤務で終わるようにスケジューリング。また、翌日や翌週などが締め切りの急ぎではない仕事に関しては、Slackのリマインダー機能を使って、管理しています」

ワザ8.自分が「ご機嫌」でいることを大事にする

 「同僚の中に、『了解でっす!』『ありがとうございます~』とテキストでの意思表示が常に『ご機嫌』な人がいるんです。彼女と顔を合わせて仕事をしたことがあるのは3分程度ですが、私は彼女のことをとても信頼しています。不機嫌な人って、オンラインでも仕事を頼みづらい。ご機嫌な人が一人いるだけでチームが明るくなります。だから私も、常に『ご機嫌』でいるように意識しています。どんなに険しい顔をしていても、テキストだけはせめてご機嫌でいたいです」

リビングの一角にあるYさんの仕事場。「パソコンと高速Wi-Fiがあればどこでも仕事ができます。使っているツールは、チャットはSlack、ウェブ会議はZoom、情報共有はesaやG Suiteです」
リビングの一角にあるYさんの仕事場。「パソコンと高速Wi-Fiがあればどこでも仕事ができます。使っているツールは、チャットはSlack、ウェブ会議はZoom、情報共有はesaやG Suiteです」

 「実はリモートワークのほうが休む時間が少ない」とYさんは言う。「会社にいれば、アジェンダのない会議に参加して雑談していたり、ちょっと休憩に外にコーヒーを買いに出たり。デスクにいなくても『そのうち帰ってくるかな』と追及されることはないですよね。

 でも、リモートワーク中に対応が遅れると、『本当にやっているの?』という気持ちも生まれやすい。だから、クイックレスポンスを意識したいし、きちんと言葉を選んでコミュニケーションする必要があると感じています。自分のご機嫌力を保ちつつ、無条件にお互いを信頼し合うことがテレワークを上手に活用するために一番大事なことではないかと思っています」