小区ごとに厳しく出入を管理される

 会社員はというと、春節期間中に上海で過ごした人は、春節後は休むことになり各社対策に追われたが、上海では2月10日から仕事開始が可能になっている。

 人々の生活はどうなっているのか。「中国には小区(しょうく)と呼ばれる住宅コミュニティーがあり、中国政府から発表された指針の下、小区がその地域を管理しています」

 例えば、中国国内で感染が広まっている地域や、日本・韓国・イタリア・イラン・フランス・スペイン・ドイツ・米国など16カ国から上海市内に戻った市民がいた場合、小区の入り口でその市民が小区に入ったことがチェックされ、その日から2週間は小区の外に出ることが禁じられる(このルールは地域によって異なる。例えば北京市の場合は、場所を問わず、北京市外から北京市内に入った人すべてが2週間自宅待機の対象になる)。

 毎日の買い物はどうしているのだろう。「中国にはデリバリーが浸透しています。新型コロナウイルスの感染が拡大する前のようなフル稼働はしていませんが、スーパーマーケットや飲食店での買い物の多くはデリバリーで届くので不便はあまり感じません」。なお、上海では2月末まで飲食店の店内での飲食が禁止されていたこともあり、デリバリーに力を入れる飲食店が増えた

 リモートワークが難しい人はどうしているのか。「各エリアの政府や企業ごとの判断の下、できる範囲で働いているのだと思います。例えば、上海よりさらに厳しく人の移動が制限されている北京では、テレビ番組を見る限り、日本のテレビ会社の北京支局の報道記者は北京の外に出ていないように見えます」