ディスカヴァーは自宅作業用に通信手当支給

 出版社のディスカヴァー・トゥエンティワンでは全社員約100人のうち、90人がテレワークを実践中だ。「業務上、出社が必要な部署のスタッフ10人ほどが交代で出社している」(ディスカバー・トゥエンティワン)とのこと。ただ出社の際はできるだけ人との接触を避け、時間差出勤か、タクシー通勤が奨励されている。タクシー代は会社に経費として請求する仕組みだ。

 社員同士のコミュニケーションにはメールのほかに、ビジネスチャットツールの「Slack」を活用。「レスポンスしてほしい人を明確にするためにメンション機能を利用しています。自分宛のメッセージには返信することをルールにしています。また、ダイレクトメッセージなどのクローズな場ではなく、社内の誰もが見えるようなオープンな場でやり取りするようにしています」

 ただ、テレワークだと自宅のパソコンの通信費がかさむこともある。そうした事態に備えて月5000円の通信手当を支給し、社員が安心してテレワークに励めるように配慮している。


 大規模テレワークに踏み切った各社に共通するのは、ITツールの活用している点に加え、現場のニーズに細かく対応できているという点が挙げられる。それでも「テレビ会議だと音声や映像が途切れたり、発言するタイミングがつかみづらかったりする」「クライアントがテレビ会議に対応していない」など課題はあるようだ。収束が見通せないコロナ騒動のなかで、試行錯誤が続けられている。

取材・文/齋藤有美、飯泉 梓(日経doors編集部) イメージ写真/PIXTA