夫婦二人テレワークで情報漏洩に配慮

 社員の働き過ぎが課題になる一方で、上司が「本当に働いているのか」と部下に不信感を抱く事態も生じているようだ。プロジェクト管理ツールの「Backlog」など、ITツールを提供するヌーラボの担当者は「お客様から、テレワークを始めて急に上司が部下の行動を管理したがるようになったという話も聞きました」という。

 また、自宅で働くことで、情報漏洩にも細心の注意を払う必要がある。そんなときに壁となるのが、共働きの夫婦2人ともテレワークとなったケースだ。ヌーラボのマーケティング部で働く原彩香さんは、自宅での働く環境に頭を悩ませているという。

 「夫婦共にテレワークを実施しているのですが、それぞれ会社は別。テレビ会議などで機密情報に関する話をすることもあるので一つの部屋で働くことはできません。どちらかがリビングで、どちらかが寝室などしてやり繰りしています」

 今回の緊急下におけるテレワークでの勤務体制は働く現場に様々な課題を浮き彫りにしている。ただそれらをうまく乗り切ることで、今後の働き方改革のヒントになるはず。どう知恵を絞るか、各社対応を迫られている。

取材・文/飯泉 梓(日経doors編集部)