コーチングはどうアプローチするか

 ここで改めて考えてみましょう。問題があるとそればかりに目を向けてしまいがちですが、実際には、図に示したように、自分が行きたい場所にいくために「問題」に向き合う必要はないかもしれないのです。それを明確にするために「現在地」「行きたい場所」を確認し、「どうやったらそこにたどり着けるか」を見出していくのが、コーチングの考え方です。

 「その行き先にたどり着くために、その問題に向き合う必要はないかもしれない」ということに気づくと、不要な問題に悩まされることなく、必要な行動を取ることができますし、より前向きな気持ちで前進することができます。

 例えば、「プレゼン前に緊張してしまう」と悩んでいる人の場合を考えてみましょう。「緊張する」という目の前の「問題」に意識を向けると、不安感が募ってさらに緊張してしまうかもしれません。「緊張を和らげよう」と思っても、どうやって解決していいかわからない。

 そんな時、コーチであれば「どうなったらうれしいですか?」と問いかけます。あなたは「プレゼンがうまくいくとうれしいです」と答えるでしょう。さらにコーチは「では、プレゼンを成功させるためにできることは何ですか?」と問いかけます。