「次に踏み出すべき一歩が分からない」「そもそも私、どこへ行きたいんだっけ?」――。仕事で、プライベートで、迷子になることはありませんか? 会社員や起業家向けにコーチングサービスを展開するcotree(コトリー)と、「チームを育てるリーダー」になるための短期集中マンツーマンプログラムを運営するCoachEd(コーチェット)代表の櫻本真理さんに、自分で自分をエンパワーする「セルフコーチング」術を教わる本連載。第1回は、コーチングの基本について解説してもらいます。

 こんにちは、cotree/CoachEdの櫻本真理です。皆さんは「コーチング」をご存知でしょうか。『1兆ドルコーチ』(エリック・シュミットほか著/ダイヤモンド社)という本がベストセラーになったり、SNSで話題になったりして、気になっているビジネスパーソンも多いと思います。

 「コーチング」は自己変容のための対話の技術(ただ、国際的に認められた明確な定義はない)です。「コーチ」と言われる専門家とクライアント(相談者)が1対1で対話をします。コーチはアドバイスやティーチングをするのではなく、クライアントの話をしっかり聞いた上で、質問や承認・フィードバックを行うのが役割。クライアントは、そのやり取りを通して自ら気づきを得て、よりよい自分に変化していきます。

 本来はコーチと1対1で質問を投げかけてもらったり、承認をしてもらったりすることで効果が出るものですが、実はより簡単な方法として自分が自分にコーチングをすることも可能です(もちろんプロのコーチとのコーチングの方が多く気づきは得られるのですが)。

 この連載では、全6回にわたって、自分が自分のコーチになってよりよい自分を目指していく「セルフコーチング」を扱っていきます。今日は初回なので、「コーチング」の基本的な考え方である「バックキャスティング思考」をご紹介してみたいと思います。