会社員や起業家向けにコーチングサービスを展開するcotree(コトリー)と、「チームを育てるリーダー」になるための短期集中マンツーマンプログラムを運営するCoachEd(コーチェット)代表の櫻本真理さんに、自分で自分をエンパワーする「セルフコーチング」術を教わる本連載。最終回は「よりよいパートナーシップを築くコツ」がテーマです。

パートナーシップに「100点」はない

 こんにちは、cotree/CoachEdの櫻本真理です。「コーチング」は自分がよりよく変化していくための対話の技術。本来は専門家であるコーチからの問いかけやフィードバックを通じて気付きを得て、自らの行動を変えていくものですが、コーチングを受けるのはなかなかハードルが高い……そんな人のためにこの連載では「自分でできる」コーチングの考え方を紹介してきました。

 最終回のテーマは「よりよいパートナーシップを築くコツ」です。このテーマが気になる読者の皆さんは、恋人や夫・妻、あるいは他に仕事や生活の中で協力し合っているパートナーとの間に、何らかの悩みを持っているのかもしれませんね。あるいは、今も満足はしているけれど、「もっとよくできる」と感じているのかもしれません。

 どちらの場合も、つまり、「100点満点ではない」と感じられているということ。

 通常のコーチングであれば「では今、パートナーシップに点数をつけると、何点ですか?」「60点なんですね。それを70点にするためにあなたができることは何ですか?」などと聞いていきます。

 でも、「パートナーシップ」に対して100点満点と感じるのは難しいことです。なぜなら、自分も相手も不完全な人間でそれぞれのニーズがあり、それを完全に満たし合うことは不可能に近いから。

 だからこそ、自分と相手への理解を深め、お互いの共通点と違いを尊重することが、よりよいパートナーシップを築く第一歩。

 パートナーシップに悩みがあるとき、その関係の中で何が起きているのでしょうか? よりよい関係性を築くために、できることは何でしょうか? いくつかの「性格特性」から考えられるアプローチをご紹介していきます。