読売テレビの番組企画で誕生した日経WOMAN編集部のミュージックビデオに、自身の楽曲『余裕』を提供してくれたラッパー・あっこゴリラさん。最新EP『ミラクルミー』の中では「自己肯定感爆アゲ」をテーマにした楽曲を発表しているものの、かつては「自己肯定感が地にめり込むほど低かった」と語ります。
考え方が変わったヒントはどこにあるのでしょうか? 自己肯定感、フェミニズム、そして音楽。彼女を形作るキーワードを基に、その人生をひもときます。※ミュージックビデオの動画は4月30日までの期間限定公開です。
前編 あっこゴリラ 日経ウーマンMV曲『余裕』に込めた思い ←今回はここ
後編 あっこゴリラ フェミニズムとは、自分を取り戻すこと
私は「才能がない側」の人間だった
現在31歳のあっこゴリラさんが音楽活動を始めたのは20代前半。同じ美容専門学校に通っていた女友達と2人組のバンドを結成し、小学校時代に遊びで経験していたドラムを担当。「シンガーソングライターのボーカル」と「ドラム」という2人組で活動するうちに「才能がある側とない側」でポジショニングされているように感じた。
「『私はダメなんだ』と思っているうちに、言いたいことが言えなくなって、自分の意思や本当の感情もまひして分からなくなる。バンドが活動休止したときは、心が壊れている状態に近かったですね。誰にも認めてもらえない、居場所がない、自分も人も信じられない。その自分の気持ちの確認作業をするように、『愚痴のラップ』を始めました」
これまでため込んでいたものを解放するように、誰に聞かせるわけでもなく、彼女はラップの宅録(自宅での録音)を始め、自分の思いをラップを通して確認していった。