女性経営者や管理職など、組織をけん引する女性にリーダーとして活躍するヒントを聞くこの連載。今回話を聞いたのは、芸能活動を経て大学在学中に起業した尾﨑美紀さん(29)。2022年3月には、約8億円の大型資金調達を実施しました。しかしその裏で、複数の創業メンバーが経営方針についていけず会社を去るなど、組織づくりには苦労したといいます。さらに、「女性経営者だから裏がある」「パトロンがいる」など心無いコメントを受けることも。7月7日(木)よりPrime Videoで配信される『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2の2代目バチェロレッテとしても注目を集める尾﨑さんに、起業した背景や組織づくりとの向き合い方について話を聞きました。

【前編】尾﨑美紀 美容メディア運営、2年で年商15億円
【後編】尾﨑美紀 「組織の課題」を乗り越えて8億円を調達 ←今回はここ

私の行動が女性の希望になるかもしれない 大学在学中に起業を決意

 学生時代に芸能活動をスタートし、リポーターやモデルとして活躍していた尾﨑美紀さん(29)。大手企業への内定を受けていたものの、「もっとワクワクしたことに挑戦したい」という思いから、起業の道を選びました。

 「広告代理店を中心にマスコミ関連の企業にOB・OG訪問をしたのですが、あまり心がときめかず、内定先で働くイメージも持てませんでした。一方で、インターンシップをしていたスタートアップ企業の経営者の働き方が魅力的に映りました。

 スタートアップを起業するのは、東京大学や京都大学などの優秀な大学を卒業して外資系金融などでキャリアを積む、いわゆるエリートしかできないと思っていました。しかし、インターン先の経営者は学歴関係なく、パッションと努力で会社を成長させており、『経営者って、なんてかっこいいんだろう』と思ったんです。

 そんな中、ネットのオークションサイトで古着販売したことをきっかけにオンラインショップを立ち上げ、年商1億ドルを売り上げた米国の女性経営者、ソフィア・アモルーソ氏の書籍『#GIRLBOSS』(CCCメディアハウス)に出合い、起業への気持ちがより大きくなりました。

 もしかしたら、私でも起業できるかもしれない。就業経験のない私が経営者になれたら、多くの女性に希望を与えられるかもしれない。そして何より、ワクワクする仕事ができるかもしれない。そう思い2017年、大学4年生のときにDINETTE(ディネット、東京・渋谷)を創業しました」