幅広い媒体で情報を収集

 マーケターとして、「世の中は何を求めているのか」「何に興味があるのか」などを知るために、幅広い媒体で情報収集をしているといいます。

 「『すべての情報をマーケティングに生かそう』というよりは、『流行っているモノ・コトを知っておくこと』を意識してインプットし、頭の中の引き出しを増やすようにしています

 例えば、朝は情報番組を、空いている時間にはSNS(交流サイト)をチェックしていて、特にInstagramやTikTokは情報の流れが速いので、こまめに見ています。夜は30分くらい電子雑誌の定額読み放題サービスや新聞の有料電子版などを読んでおり、月に2000円くらいはこれらのサービスに課金しています」

他部署での経験がマーケティングに生きている

 もともと所属していたものづくり部門は、理系出身のメンバーが多く、文系出身の上田さんが配属されたのは珍しかったとのこと。さらに、若手が社内公募制度を活用して未経験の部署に異動することも、社内では比較的に新しい取り組みだといいます。

 「ものづくり部門で生産現場を目の当たりにし、細部にこだわっている開発者や生産に関わるメンバーの思いを見てきました。そのような経験が、お客様に商品を届けるマーケターに向いていると評価されたのでは、と思っています」

 後半では、多くの他部署と連携するために大切にしていることや、「柔らかい巻き込み力」でチームをけん引するポイントを聞きました。

RTD(Ready To Drink、缶チューハイなど)・LS(リキュール・スピリッツ・焼酎)事業部でサントリージン「翠(スイ)ジンソーダ缶」のブランドマネージャーを務める上田紗帆さん
RTD(Ready To Drink、缶チューハイなど)・LS(リキュール・スピリッツ・焼酎)事業部でサントリージン「翠(スイ)ジンソーダ缶」のブランドマネージャーを務める上田紗帆さん

取材・文/橋本岬(日経xwoman doors) 写真/サントリー提供

下編「サントリーマーケター10部署と連携 ジン飲料でヒット」では、次のストーリーを展開

■入社7年目で社内公募制度を利用し、マーケティング部門に挑戦
■分からないことは分かるまで聞く
■「思い」だけではまとまらない
■「柔らかい巻き込み力」の次世代リーダー