若いときから活躍している人は、どのような経験を経て、そのポジションを築いているのでしょうか。本連載では、組織やチームの先頭を走る女性たちにタイムマネジメント方法やマイルール、今までのキャリアなどを聞き、リーダーとして活躍するヒントを紹介します。今回紹介するのは、サントリーが2022年より発売しているサントリージン「翠(SUI)ジンソーダ缶」のマーケティングをけん引する上田紗帆さん(28)です。

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【後編】サントリーマーケター10部署と連携 ジン飲料でヒット

社内公募制度を活用して、自ら手を挙げてマーケティング部門へ

 上田紗帆さんは2016年、サントリーホールディングスに新卒で入社し、生産現場を担う、ものづくり部門に配属されました。その後、広報部門を経て「商品を国内外に広げる仕事がしたい」という思いから、「社内公募制度」を活用して22年3月にRTD・LS事業部のマーケティング部門へ異動することに。同時期に販売を開始した「翠ジンソーダ缶」のブランドマネージャーに抜てきされました。

 同商品は情報誌「日経トレンディ」22年6月号の酒類部門「上半期ヒット大賞」にも選ばれた注目商品で、年間販売計画が150万ケース(1ケース6リットル換算)から250万ケースに上方修正されました。

瓶で発売しているジン「翠(SUI)」(写真右)をソーダと1対4で割った味わいを再現しているのが「翠ジンソーダ缶」(写真左)。「翠」ブランドは、ハイボール、レモンサワーに続く「第3のソーダ割り」のポジションを目指している
瓶で発売しているジン「翠(SUI)」(写真右)をソーダと1対4で割った味わいを再現しているのが「翠ジンソーダ缶」(写真左)。「翠」ブランドは、ハイボール、レモンサワーに続く「第3のソーダ割り」のポジションを目指している

 異動後すぐに人気商品のマーケティング担当としてチームの先頭を走ることになった上田さん。マーケティング未経験ながら、約10もの他部署や社外とも連携したり、先輩と協同しながらマーケティング計画の策定や販売活動の検討などを行っています。「朝起きてから寝る直前まで、情報のインプットは欠かさない」という上田さんの1日に密着しました。