組織をけん引する女性から、リーダーとして活躍するためのヒントを学ぶこの連載。今回話を聞いたのは、大手生活用品メーカーのアイリスオーヤマでホームファッション事業部の統括事業部長を務める星千鶴さん(32歳)です。20代半ばからリーダーポジションを担っている星さんは現在、約50人のメンバーを率いています。今までのキャリアやリーダーとして働く魅力について、語っていただきました。

【前編】30人の部下持つアイリスオーヤマ事業部長 通勤に秘訣
【後編】アイリスオーヤマ部長 10代~40代部下年代別接し方 ←今回はココ

地元・宮城県の有名企業に就職

 星千鶴さんは大学卒業後、地元・宮城県に本社を構える生活用品メーカーのアイリスオーヤマに新卒で入社しました。同社を選んだ決め手は「商品開発への取り組み」だったといいます。

 「幅広く就職活動をする中で、地元企業ということから、会社説明会に参加してみることにしました。そのときに、アイリスオーヤマは『ユーザーイン発想』という、生活者の不満や不便を解消する商品開発をしていて、消費者からの商品に対する批判的な意見を大切にしている、と聞き興味を持ちました。

 また、新商品を開発するスピードが速く、年間で1000以上のアイテムが誕生していたり、毎週行われる企画会議では各部門の責任者だけでなく、経営トップも参加して商品化の有無が決まったりするという仕組みも、他社にはない魅力だと感じました」

「アイリスオーヤマは地元・宮城県で知らない人はいないくらい有名な企業なので、入社が決まったとき、家族はとても喜んでくれました」
「アイリスオーヤマは地元・宮城県で知らない人はいないくらい有名な企業なので、入社が決まったとき、家族はとても喜んでくれました」

 入社後は家電事業部に配属され、サーキュレーターなどの季節家電や、銘柄量り炊き炊飯器といった調理家電のマーケティングを担当。新入社員のときから、入社時に聞いていた企画会議、通称「新商品開発会議」でのプレゼンテーションをすることになりました。

 「『新商品開発会議』は商品開発の要である分、厳しい意見も飛び交うと聞いていたので、当時は恐怖でしかなかったです(笑)」