連載「今月のドアメン」最終回を飾るのは、17人の男性から女性が一人を選び抜くというAmazon Prime Videoで配信された婚活サバイバル番組「バチェロレッテ・ジャパン シーズン1」に参加し、大きな注目を集めた當間ローズさん(27)です。番組参加の理由、アイデンティティーに悩んだ過去、愛される女性の秘けつ、最も大切にしている恩師からの言葉など、愛に生きる當間さんの魂に迫るインタビューです。

人を愛するほうが強くなれる

日経doors編集部(以下、――) 當間さんは、16歳のときにモデルや俳優として、芸能活動をスタートされたそうですね。「バチェロレッテ・ジャパン シーズン1」に参加されたのはなぜだったのでしょうか?

當間ローズさん(以下、ローズ) 「愛とは何か」を知りたかったから、です。実は、私は5年間彼女がいませんでした。理由を考えたときに、「もしかして、私は人を愛せないのでは?」と疑問が湧いてきました。芸能活動を優先していたことや出会いがないなど、物理的な理由もありましたが、本当に自分と向き合っていないのではないかと感じたんです。

 私は、「心」ってパズルのようなものだと考えていて。例えば、家族や友人、恋人など、大切な人への愛がパズルのように合わさって、一つのハートになると思っているんです。それぞれ、愛の形はいろいろあるけれど、私の場合は恋人というピースが欠けていた。恋愛も自分を構成する大切なピース。だからこそ、本当に人を愛することはどういうことかを番組を通じて知りたかったんです。

―― では、番組への参加は、迷うことなく決断されたのですね。

ローズ いいえ。実は、すんなり決められませんでした。コンプレックスとまでは言えないのですが、私はずっと自分のアイデンティティーに疑問を抱いてきました。ブラジル生まれ(ローズさんの父はイタリアと日本にルーツを持つ。母はブラジル出身)だけど、日本人でもあることに――。5歳のときに移住してきてから、言葉や文化の違いが壁となり、いじめられたこともあります。長い間、周囲になじむために「日本人っぽく振る舞おう」と心掛けていたけれど、本当の自分を偽っている感覚がありました。でも、番組に参加したら、ずっと自分にうそをついているわけにはいかないので、すごく悩みました。

―― 最初はためらう気持ちもあった中で参加されて、ご自身に変化はありましたか?

「相手を思えば思うほど、『好き、愛しているよ』という言葉は自然と出てきますし、言われた人もうれしいはず。私は、相手が喜ぶ笑顔が見たいから、言葉にして伝えることが大事だと思っています。『愛している』以上の気持ちを表す言葉が見つからないのが最近の悩み」
「相手を思えば思うほど、『好き、愛しているよ』という言葉は自然と出てきますし、言われた人もうれしいはず。私は、相手が喜ぶ笑顔が見たいから、言葉にして伝えることが大事だと思っています。『愛している』以上の気持ちを表す言葉が見つからないのが最近の悩み」