恩師の言葉、母の姿が愛の源泉
―― 今のお話、女性としてすごく励みになる言葉です。恋人やパートナーから長く愛される人になる秘けつを教えてください。
ローズ 素直な女性は、男性から見て魅力的。男性側も接し方や愛し方がすぐ理解できるので、ずっと幸せにしたいと思えます。反対に、ひねくれている女性は難しいかもしれません。どう接したらいいのかが分からなくなっちゃいますよね。
―― お話を伺っていると、ローズさんは人に与える愛が減らないですよね。あふれる愛の源はどこにあるのでしょう?
ローズ いじめられていた小学生のとき、担任の先生から「あなたは、好かれる人になってください」と言われたんです。今も一番大切にしている言葉ですし、以来「人に好かれる」をモットーに生きてきました。先生は「人に好かれるには、自分がまず優しくしてあげること、自分が心を開くこと。この2つがポイントだから、あなたはまず、人に好かれる努力をしなさい」とおっしゃった。それが、私の胸の中にずっとありました。いじめにも負けずにやってこられたのは、その言葉があったからなんです。
―― 素晴らしい先生に出会えたのですね。そこから、愛を与えられる人になろうと。
ローズ それ以上に家族の存在も大きいです。両親が日本で暮らすことを決めた理由は、私に充実した教育を受けさせるためでした。ブラジルは貧富の差が激しく、特に母は苦労してきたので、努力して手に入れたものの本当の価値を知っている人だと思うんです。私自身が苦労したわけではないけれど、小さい頃からそんな母の姿を見てきたことが私の愛の根底にあるのでしょう。
―― 最後に、今後の目標ややりたいことを教えてください。
ローズ 一人でも多くの人に、「當間ローズ」をもっと知ってもらいたい。特に、小さい頃から、ブラジルと日本の懸け橋になるのが夢でした。国は違っても、それぞれの文化をお互い知ることができれば、もっと成長できると考えています。日本にもブラジルのいいものや文化を輸入したいし、日本の素晴らしいものも海外に輸出したいですね。もっと国際的な活動も増やしていきたいです。これから日本はもっともっと国際化が進むし、両親の国籍が違う子どもが生まれる割合も増加傾向にあります。その中で、自分も見本になれるような、日本の星になれるよう、頑張っていきます。
取材・文/高橋奈巳(日経doors編集部) 写真/稲垣純也
撮影協力/Café & Deli GGCo. 城山