原体験は、小学生時代の父の会社の倒産

―― そもそも吉野さんは、なぜ人材業界を選んだんでしょうか?

吉野 私が小学3年生のとき、実家の自営業が倒産したんです。経営が厳しくなり、支えてくれていた社員が退職してから、さらに家族が追い込まれていくのを目の当たりにしました。そのとき、子どもながらに「経営には人材が一番大切なんだ」と思ったんです。これが原体験となって、就職活動では「採用を通じて、経営課題を解決したい」と考えるようになり、人材業界を志望しました。

―― 小3で「経営には人材が大切」と気付くとは! 人材会社の中でもベンチャー企業を選んだのはなぜだったんですか?

吉野 大手企業だと、若手のうちはあまり裁量権を持てません。年齢や社歴にかかわらず、自分のアイデアを実行できる環境で働きたいと思っていたのでベンチャーを志望しました。また、大手の人材サービス企業では、自社媒体のみを扱うことが多いのですが、それだとお客様にとって本当に最適な提案ができないのではないかと考えたんです。もう一つ、経営理念に共感できることも会社選びのポイントでしたね。

―― 入社後、なかなか結果が出せなかったと聞きました。

吉野 新人が担当するテレアポ営業で、3カ月間まったく成果が出せず、成績は同期の中で最下位。でも、負けず嫌いでポジティブなので、落ち込むことはなかったです。プライドを捨てて上司や同期に成功する方法を聞いて回りました。コツをつかむと契約を獲得できるようになりましたが、本格的に新卒事業部に配属されてからは、1年ほど低迷していました。

「目の前のことだけを必死で頑張るのではなく、その先にある目標に向かって行動する努力を大切にしたい」
「目の前のことだけを必死で頑張るのではなく、その先にある目標に向かって行動する努力を大切にしたい」