今月のドアメンは、アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」や総合求人情報サイト「はたらこねっと」などで知られる、ディップ(dip)に勤務する山根弘成さんです。新卒入社から10年目を迎えた今、新規事業開発やパラレルワークと多方面で活躍しています。その充実したキャリアライフについて話を聞きました。

アイデアや気づきは常に社内に落ちている

日経doors編集部(以下、――) 現在、山根さんは、ディップの新規事業開発を専門とするチームのマネジャーを務めていると聞きました。どのような新規事業を手掛けているのですか?

山根弘成さん(以下、山根) いろいろあるのですけれど、今日は3つ紹介しますね。1つ目は今年リリースしたミニバイトサービスの「BITE-バイト-」。やりたい業務や得意な仕事だけを「かじって」働ける求人サイトで、スポットで稼ぎたいというユーザーをターゲットにしています。

 2つ目は、「ドットクーポンズ」というSNSなどでシェアして使用する形のグルメクーポンサイトです。最近は、飲食店もSNSで検索するのがスタンダード。従来のグルメポータルサイトはもう時代にマッチしなくなってきたと感じたことから思いついたサービスです。

 3つ目は、「GAKUcelerator-ガクセラレーター」といって、小学生から大学院生、専門学校生まで、あらゆる学生のスタートアップを支援するプログラムです。採択した企業には、メンタリングやPR、事業資金などのさまざまなリソースを提供し、万が一失敗した場合は就職支援を行います。

 2019年4月からサービスを開始し、現在約300人(2020年9月時点)以上の学生起業家を支援しています。大学生と仲良くなったり、高校生のビジネスアイデアを聞いたりと、私自身も刺激をもらいます。当初は、若者への期待から始めた事業ですが、自分自身が成長しないと彼らについてきてもらえないので、プレッシャーも大きいです。

―― 今までにないサービスばかりですね! 事業のアイデアはどこから湧いてくるのでしょうか?

山根 シンプルに「こういうサービスがあったらいいよね」というところが起点です。こうしたアイデアや気づきって、結構、会社の中に落ちているのですよね。上司や同僚との会話、会社の事業の動き、ユーザーの声など、あらゆるところにヒントがあります。もし、自分だけで事業をやっていたら、世の中の課題を見つけられないと思います。それが、私自身が会社員でいる一番の理由です。

「この3事業に関しては検証が終わったばかり。これから事業化するかどうかが本格的に決まります。手ごたえは十分ありますね」
「この3事業に関しては検証が終わったばかり。これから事業化するかどうかが本格的に決まります。手ごたえは十分ありますね」