連載第2回では、結婚、出産、育児休暇を得て復帰した同期に対して「もやもや」した気持ちになってしまうという悩みに、キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんがアドバイス。嫉妬心をチャンスに変える考え方のヒントをお届けします。

ライフステージが変わり、充実した人生を送る同期に嫉妬

 doors世代の20~30代は、結婚や出産などライフイベントの変化に直面することも多い一方で、周囲の同世代が変化していくことに焦りを感じる人も多いのではないでしょうか。毎月のように結婚式が続き、妊娠や出産の報告もちらほら増え始めた。でも、自分には彼氏すらいない……。

 祝福したいのに素直に喜べない自分がさらに嫌になってしまう……。20代の頃の私も、まさにそんな感じでした。

 今回は、そんな周囲に言いづらいもやもやした気持ちとの向き合い方についてお話していきます。

CASE2 育休を経て復職した同僚に嫉妬してしまう
【独身キャリア女性 Bさん(32歳)の悩み】

 同期が約1年の育児休暇を経て復職し、職場に戻ってきました。また一緒に働けることはうれしいのですが、純粋に喜べない自分もいます。というのも、彼女は育休中にボランティア活動をしたり、勉強したりと、充実して過ごしていたそう。子育てに専念するための育休だと思うのですが、私が仕事ばかりしていた時期に、子育ても自己研さんもして過ごしていたなんて、正直「ずるい」と感じてしまいます。こんな感情を抱いてしまう自分もイヤなのですが……。私には結婚の予定もないですし、出産をきっかけに充実して見える彼女が羨ましいのかもしれません。

育児休暇は女性にとって一つの「転機」になり得る

 育休中に子育て以外のことをして過ごす人も増えていますよね。オンラインで家にいながらできることが増えたのも影響しているのかもしれませんが、育休中にインターンやボランティア、勉強、趣味など、さまざまな活動をする人もいます。

 5年ほど前ではありますが、かくいう私も2度目の育休中に、当時はほとんど誰もやっていなかった育休インターンに挑戦しました。それが働き方を変えるきっかけになったといっても過言ではありませんし、私にとって育休は大きな転機でもありました。

 Bさんの同期のご友人や、当時の私のように自己研さんに励む人に限らず、出産により「母」という役割が増え、仕事から離れることで人付き合いもライフスタイルも大きく変化し、転機になり得るのが育休だと思います。

 ですからBさんのように、育休を経た同期や友人が「出産をきっかけに何か変わった」「充実した人生を歩んでいる」ように見えるのは、当然のことです。