4月は新たな一歩を踏み出す季節。生活パターンが最近同じになっているなあ、と思う方は、現在の生活圏にプラスして、別の場所に身を置いて思考を広げてみませんか。例えば、大学キャンパスにあるカフェは知的な雰囲気が漂い、いつもと離れた発想が生まれそう。今回は東京大学構内「廚 菓子 くろぎ」、東京農業大学の「食と農」の博物館内の「egg(エッグ)東京農大世田谷通り店」を訪ねました。

風を感じるテラス席 建築も堪能

 「廚 菓子 くろぎ」は、最高のおもてなしで「本物の和食」を追求する日本料理「くろぎ」がプロデュースする和菓子カフェ。建築家の隈研吾氏のデザインによる、杉の木をふんだんに使った外観は、ほぼ全面ガラス張りで明るい雰囲気です。その雰囲気が、店内6テーブル(12席)の空間とテラスとの一体感を強めていて、開放感があります。

 テラスは緑に面していて風通しがよく、これからの季節はそよ風も楽しめそう。見回すとテラスのクッション席で話し込む若い女性2人組や、黙々と仕事する男性、「人から聞いて初めて来ました」という1人で来店した女性がいました。

木々の緑に面しているテラス席は時間がゆっくりと流れます

 通りすがりの人というよりはキャンパス内という立地から、わざわざ来るファンのお客さんが多いそうです。そして記念写真を撮りながらゆったりと語らう親子が。それを見て、気づきました。あ、今日は東大の卒業式。人生の節目である大切な記念日にも過ごせる場所なんですね。

 看板メニューの1つは、本蕨(わらび)粉100%で作られた「蕨もち」。スペシャルティーコーヒー「猿田彦珈琲」のコーヒーが付いた「お飲み物セット」を頂いたところ、プルンとした蕨もちとコーヒーが、合うこと!

干菓子などが添えられた「蕨もち お飲み物セット」(2700円)。塩味(えんみ)と甘みのバランスにこだわっているそう。できたても重要なポイントで「時間がたつと食感が変わるので、ぜひお早めに」(統括の小嶋由紀子さん)とのこと。和菓子に合ったコーヒーをブレンドしています

 「作りたてですから、お早めにお召し上がりを」とお店側から言われて、添えられた2種類のきなこ(緑色のほうは、青きなこに抹茶テイストが付いたうぐいすきなこ)を交互に付けながら、一口、また一口と頂きます。はい、これは至福タイムです。

 店内に流れるジャズを聴き、和菓子の美しさが映える間接照明の下、ゆったりとしていると、自然と肩の力が抜け、思考が広がっていくようです。キャンパス内ということもあり、カフェの前に車の往来があるわけでもなく、のんびりとした時間の流れを感じます。そのうち夕暮れになり、テラス席の各テーブルに小さなキャンドルが置かれると、ムーディーな空間へと変わりました。

 もう1つの人気メニュー「かき氷 黒みつきなこ」(単品1600円、お飲み物セット2400円)もいかがでしょうか。女性2~4人でシェアしながら食べてもよいほどのボリュームで、上部から小豆、生クリームベースのオリジナル黒蜜クリーム、氷、氷の間にはあんこがたっぷりと入っています。くるみもゴロゴロ。どこからすくってもいろんな味が楽しめて、食べ応え十分。クリームの隠し味としてしょうゆが使われているところは、さすがです。

定番の「かき氷 黒みつきなこ」(単品1600円、お飲み物セット2400円)。どこの角度から撮ってもインスタ映えします

 こんな大きなかき氷を朝食代わりに頂いてから会社に行くビジネスパーソンも多いとか。ほどよい甘みと塩味のバランス、適度な満足感があり、スムージーのような「朝の一杯」という感覚なのかもしれません。

 お店によれば、メインの客層は、20~50代の女性が7割以上とかなり女性比率が高いそうです。来店する外国人の中には、世界に誇る日本の建築家・隈研吾氏デザインのこの建物(ダイワユビキタス学術研究館)の外観を撮影する人も多いとのこと。女子大生が、遠方に暮らす家族を呼んで、和食界を代表するくろぎの和菓子を一緒に食べるという楽しみ方もあるようです。

 それだけのために来るリピーターが多いという、かき氷ファンの心をつかんで離さないのも月替わりのフレーバーがあるから。1月はアボカドたっぷりの「和ボカド」、2月は卵を使った「昔プリン」、それと年間でも人気を誇る、いちごを使った3月の「苺姫」に続き、4月1日からはクリームチーズにさくらフレーバーの「桜子(さくらこ)」が登場しています。

月替わりのかき氷「桜子」。桜の塩漬けを入れ、つぶつぶ感を生かしたクリームに桜の華やかさが感じられます