社会人になってもふつうとの出合いが続く

 社会人になっても、新しい「ふつう」との出合いは続きました。

 コピーライターになって1年目の時、若者層(話を分かりやすくするために仮に「ヤンキー」とします)向けの商品を広告するという仕事をすることになりました。私は、ヤンキーの「ふつう」を知らない。どこに行けばヤンキーがいそうかを先輩に聞いて、メモ用紙を持ってそのエリアへ行く。コンビニで雑誌を立ち読みするふりをして、外にいるヤンキーを観察。ふむふむ。好きな色は、紫かあ。スリッパは、キティーちゃん。座り方に特徴あり。みんなクルマの座高が低い。漢字四文字など独特な文字が書かれている。なんて、すごい発見なんだ! これが、ヤンキーなのか! 翌日、先輩に伝えるも、そんなの「ふつう」じゃん! って反応。そんな……。

 もっと、もっと、ヤンキーの「ふつう」を極めなきゃ! 彼らが読むクルマやファッションなどの雑誌を熟読したり、口癖や名言を集めたり……。結構マスターしたら(持論)、3回目くらいの打ち合わせで、周りも私の話に耳を傾けてくれるように

同じ部署の電通Bチームの社員と。一番後ろの列、左から4番目がナージャさん
同じ部署の電通Bチームの社員と。一番後ろの列、左から4番目がナージャさん