「ふつう」は武器になる!

 しかし、会社だと、それだけでは足りないことに気づいたんです。アイデアも求められるから。でも、これまでマスターしたさまざまな「ふつう」が役に立った。ちょっとだけ自分にとっての「ふつう」を混ぜると、私が出すアイデアはちょっとだけみんなの「ふつう」とズレる。結果、私には人と違う常識を持った「個性」が生まれて、面白がってもらえるではないか。

 この体験は、その後も世界中でアイデアを考えるキッカケのひとつになりました。

 でも、やっぱりそれは変わった環境で育ったから得られた個性なんじゃないの? 私は「ふつう」過ぎて困ってるんです!と思う人もいるかもしれません。大丈夫です! もし本当に、そうならば、そんな人はめったにいません。「ふつう過ぎる」こと自体が、あなたの「個性」なのです。

 それだけでは、活用できないよ!と今度は思うかもしれません。私もロシアの「ふつう」の女の子だったけど、私を見る人が変わった瞬間に自分の「ふつう」を活用できた。だとしたらあなたも、あなたを見る人をちょっと変えてみるのはいかがでしょう。海外に行くとか、違う業界に転職、起業するなど劇的なことじゃなくても、例えば、業務内容や得意先を変える、違うクラスターの人とチームを組む、あるいは、女性向けの商品を担当していたら、男性向けの商品を担当してみるなどでもいいんです。いろいろな場面でいろいろな人を相手にあなたの究めた「ふつう」は、武器になるはずです。

グローバルで使える! 「ふつう」を活用するコツ
(1)意識して、自分を見る人や環境を少し変えてみる。
(2)少しずつ、自分にとっての「ふつう」をそこに混ぜていく。
(3)みんながそれを「個性」として認識するのを待つ。

 春は、何か新しいことを始めるのにぴったりな季節です。せっかくなら、ぜひ自分の「ふつう」を究めて、「個性」を磨いてみませんか?

文/キリーロバ・ナージャ