1.フィンランドで出会った「IKIGAI」

 日本の本屋さんに行くと、北欧についての本が並んでいますよね。フィンランドの本屋さんでは、日本についての本が多く並んでいたんです。日本のデザインやファッションの本、日本の音楽やカフェの本などなかなか日本推し。その中でもヨーロッパで大ヒットしていたのが「IKIGAI」という本。「生きがい」という日本のコンセプトのすばらしさにハッとさせられたスペイン人の著者が沖縄に渡り、どうして日本の高齢者は生涯ずっとアクティブでいられるのかをリサーチします。日本の哲学を反映した生き方こそが、生涯にわたるハピネスにつながると言い、その秘訣を紹介しています。

 IKIGAIは世界を魅了し、世界で通用する言葉にまで広がったのです。IKIGAIを持って生涯現役でいたいという日本で定着している考え方は、引退する日を楽しみにして、のんびり暮らしたいという今までの西洋の考え方に新しい発見を与え、IKIGAIを見つけられている日本の高齢者がとても羨ましいのです。

2.オランダの会社員が羨む「先輩」

 業界によるところもありますが、オランダの会社はいわゆる欧米スタイル。入社した瞬間から一人前で、日本みたいに研修があるわけでもなく、誰かが所作を教えてくれるわけでもありません。いきなり自分の役割をしっかりこなし、もし、力を発揮できなかったらクビだってありえます。だから、マナーからビジネスの基本までしっかり研修があり、さらに、先輩がon the jobでknow-howを手厚く教えてくれて、失敗してもなんとかしてくれる日本が羨ましいのです。全員がライバルだから自分で築きあげたknow-howなんて教えられません。

 だから「先輩」という厳しくもある、味方がいるというのは、とてもぜいたくなことなんです。でも、日本にいる私たちは、上下関係に悩んだり、もっと早く活躍したいとうずうずしたりしますよね。まさに、お互いの芝が青く見えているのかもしれませんね。

3.英国で出会った「日本の教育」の良さ

 習字から掃除まで幅広くいろんなことが学べる日本の小学校は海外からも注目されていますよね。でも中学校になると、高校受験に向かう3年間があり、高校に入るとまた大学入試が待っていて……詰め込みだ!とネガティブに思う人も多いですね。もっと自由に勉強できたら、役立つカタチで学べたら、海外の学び方を取り入れられたらと思うこともあるかもしれません。

 ただ、英国人の知り合いによると、今、英国は、逆のことで悩んでいるようです。自由な学びはできたけれど、いい学校に入れない。そうすると親としては、どこか不満が生まれます。詰め込みはよくないと思っていたけれど、やっぱり成果がでないと次のステップにつながらない。

 そこで、意外かもしれませんが、ヒントとして注目されているのは、「世界でも最も成功している教育の国」の一つとされている、日本の勉強のあり方だそうです。学ばせたいことや目的、そして社会の仕組みなどさまざまな要素を考えて学びを設計することが重要かもしれないと気づかされます。