4.オーストラリアで見つけた「MATCHA」

 「DASHI」、「PONZU」、「MISO」など日本のほとんどのキッチンにある調味料たち。でも、オーストラリアのおしゃれレストランでは、最先端な調味料として現地のモダン料理を新しいカタチで彩り食べたことがない味覚が生まれています。街では、自分でたてた「MATCHA」を楽しんでいる若者もいました。中には、抹茶を入れて振るだけでたてることができる茶筅(ちゃせん、抹茶をたてるのに使用する茶道具)を内蔵するタンブラーを持ち歩く人も。カクテルをシェーカーで振る感覚で抹茶を振ってたてて楽しむのです。

 抹茶もターメリックやチョコミント、シナモン入りなどもあってとってもポップ。日本食材のおいしさに魅了されたオーストラリアの人は、日本だとなかなか思いつかない進化した楽しみ方を思いついていたのです。これは、青く見えた芝生を独自に解釈して、新しい価値を生み出した例ですね。今度は、こちらから芝生が青く見えるようになったのではないでしょうか。

 もしかして、私たちはいつの間にか「当たり前」にあるものを退屈に感じたり、自分が置かれている環境の悪いところばかりが目につくようになっていたりして、ついつい、いいところを忘れてしまってはいませんか。隣にある青い芝生をいいなあと思ったときこそ、自分の芝生の青い部分をもう一度、探してみるのはいかがでしょうか。もしかしたらそこにこそ、次のブレークスルーへのヒントが隠れているかもしれません。

文/キリーロバ・ナージャ