世界コピーライターランキングで1位に輝いたこともあるキリーロバ・ナージャさん。世界6カ国で成長期を過ごし、今は、電通でコピーライターとして活躍しています。ことわざの「隣の芝生は青い」。これは自分の家の芝生よりも、隣の家の芝生のほうがきれいに見えてしまうという意味です。つい「あっちの場所が羨ましい」と隣の芝生は青く見えてしまいますが、いろいろな国の学校を転校したナージャさんによると、「実は青くない」そうなんです。

ないものねだりは世界共通

 ある場所に長くいると、誰もが一度は思ったことがあるだろう。「ああ、あっちの場所はいいなあ」と。そう、隣の芝生が青く見える現象。北欧の教育は進んでいるなあとか、フランスは長いバカンスがあっていいなあとか、アメリカならもっと自由に行動できるのになあとか。

 今の場所で悩んでいたり、変えたいことがあったりするからこそ、それがうまくいっている(であろう)場所につい目がいってしまいますよね。この慣用句、実は、他の言語でも存在し、英語だとThe grass is always greener on the other side.と言ったりしますよね。なんと、フランス語やイタリア語でも全く同じ言い方なんです。それ以外の言語でも、「芝生」の代わりに「さくらんぼ」や「もち」や「とうもろこし」などを使った同じ意味の慣用句が存在し、「ないものねだり」は、世界共通のようです。

 最近、ついつい自分たちのよくないところばかりに目が行きがちな日本。でも、海外からすると「日本」という芝生が青く見えていることも実は、たくさんあります。今回は、私が出会ったちょっとしたいくつかを紹介することで、もしかしたら自分の芝生にも青い部分があるということについて改めて考えるキッカケになればと思っています。