これまでチルライフを送っている人が多い場所として書いてきたオランダ。自分を大事にして、今を生きているオランダ人。こんな場所で生活して働ければ最高だ!とユートピアのように思えるのですが、「女性として働く」ことを考えた場合、オランダはどんな場所なのでしょうか。今回はちょっと真面目に、オランダにおける働く女性の環境について書いてみたいと思います。

オランダの女性活躍、少しがっかり

 オランダは北欧に近いし、税金も高くて社会保障が充実しているから、きっと女性活躍も進んでいると思っている方も多いかと思います。私も実は女性活躍が進んでいると思って、引っ越してきました。女性が挑戦できる社会を支援する非営利団体Lean In Netherlands で役員をしているのですが、オランダにLean Inなんて必要なのかな?と思っていました。

 結論から言うと、オランダにおける女性の環境・男女格差は、日本に比べたら、進んでいるけれど、北欧の国ほど良くはないので少しがっかり、という感じ。

夏のバケーションはサントリーニ島で2週間まったりしてきました。大好きなワインを求めてワインテイスティングに挑戦
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 例えば数字でいうと、こんな状況です。世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数(2018年)で見ると、トップは北欧の国がランクインしているのに比べて、オランダはフランス、ドイツ、イギリスなどよりも下位の順位で27位。労働時間における賃金格差、平均月収、管理職における女性比率、女生徒へのSTEM教育(科学・技術・工学・数学の教育分野)の項目においては、西ヨーロッパで最も低い(McKinsey Global Instituteの調査より)。

 女性の管理職比率はどうでしょうか。Executive teams(社内の取締役、経営層)における女性比率 は6%、Supervisory board(社外取締役のような立場)における女性比率は25%。オランダでの大企業5000社において、70%の会社がExecutive teamsに女性が一人もいない。ちょっと驚く数字ではないでしょうか。

 エグゼクティブにおける女性比率が一桁台とは、日本とほぼ変わらない数字になっています。オランダ政府も、Executive teamsとSupervisory boardの両方において、30%以上の女性比率にすることを目標にしていますが、かなり遠そうですね。